概要

AMDは8月4日、2026年第2四半期決算を発表した。売上高は115億ドルで前年同期比50%増、前四半期比でも13%増となり、アナリスト予想の113億ドルを上回った。非GAAP EPSは1.66ドルで、市場予想の1.62ドルを上回り、前年同期比では246%という大幅な増益を記録した。GAAP純利益も23億ドル(前年比163%増)、GAAP EPSは1.38ドル(同156%増)と、いずれも好調な内容だった。第3四半期のガイダンスも130億ドル前後(±3億ドル)と、コンセンサス予想の125億ドルを上回る強気の水準を示した。しかし、これだけの好決算にもかかわらず、発表後にAMD株は8%超(一部報道では7%)下落し、472.89ドルまで値を下げた。取引量も平均の1.8倍に膨らみ、投資家の反応が大きく分かれる結果となった。

部門別の業績

牽引役となったのはデータセンター部門で、売上高は67億ドルと前年同期比107%増を記録し、全社成長の中心となった。AIチップやサーバー向けプロセッサへの旺盛な需要が背景にある。クライアント部門も31億ドル(前年比23%増)と堅調に推移した一方、ゲーミング部門は7.79億ドルで前年比31%減と落ち込みが目立った。組込み部門は9.77億ドルで前年比19%増だった。Lisa Su CEOは、データセンター売上が2倍以上に伸びたことに言及し、この勢いを維持して通期の成長と利益拡大を実現する考えを示した。

株価急落の背景

好決算にもかかわらず株価が下落した最大の要因は、粗利益率が市場予想に届かなかったことだった。GAAPベースの粗利益率は54%で前年の40%から改善し、非GAAP粗利益率も56%で前年の43%から改善したものの、GAAPベースの数値が市場の期待水準(56%程度)を下回ったことが投資家の失望を招いた。AMDのCFOは、AIインフラシステム「Helios」の立ち上げに伴う近期的なマージン圧力を要因として挙げている。新規に投入するAIアクセラレーターは立ち上げ初期段階では利益率が低く、当面は利益率の大幅な改善が見込みにくい状況にあるという。加えて、決算発表前の時点でAMD株はすでに7.7%上昇しており、好決算そのものは市場の高い期待にすでに織り込まれていたとの分析もある。過去の決算でも、前年第4四半期にEPSが予想を約16%上回りながら株価が17%超下落した例があり、今回も同様のパターンが繰り返された形だ。

今後の見通し

AMDは第3四半期の売上高を130億ドル前後(前年同期比約41%増、前四半期比約13%増)、非GAAP粗利益率を約56%と見込んでいる。データセンター向けAI需要は当面高水準が続くとみられるが、Helios立ち上げによる利益率への影響がいつ解消されるかが今後の焦点となる。市場は増収基調そのものよりも、AI関連投資が実際の利益率改善につながる時期に注目しており、次回以降の決算でその進捗が改めて評価されることになりそうだ。