概要

Node.js開発チームは2026年8月3日、LTS(長期サポート)ラインである「Krypton」系列の最新版v24.19.0と、現行(Current)ブランチの最新版v26.6.0を同時にリリースした。今回の目玉は、cryptoモジュールの内部構造を3つのバックエンドに分割した点と、ストリーム処理にリングバッファを導入してパフォーマンスを改善した点だ。いずれのリリースにも破壊的変更は含まれておらず、既存アプリケーションはそのままアップグレードできる。

cryptoバックエンドの分割

v26.6.0における最大の変更は、暗号化まわりの内部実装が「OpenSSL 3.x」「BoringSSL(Chromium採用版)」「レガシーOpenSSLレイヤー」という3つの独立したバックエンドに再構成されたことだ。従来は単一の共有コードベースが各プラットフォームのビルドで足かせとなっていたが、バックエンドを分離したことで、プラットフォームごとに最適な実装を選択できるようになり、ボトルネックが解消された。

ストリーム処理の最適化

ストリーム処理では、ホットパス上で発生していたリンクリストの割り当てを廃止し、リクエストキューにリングバッファを導入することで、割り当てコストそのものを削減した。あわせて、反復可能(iterable)なストリームに予算(バジェット)ベースのバックプレッシャー制御が導入されており、非同期反復処理やバイトストリーム処理の速度向上につながっているという。

LTS版(v24.19.0)の主な改善点

v24.19.0では、blockListが候補(Candidate)版に昇格したほか、stream.composeが安定版としてマークされた。TLS関連では、RFC 8879に準拠した証明書圧縮に対応し、通信の効率化が図られている。またEdDSAの署名検証まわりのセキュリティも強化された。

その他の変更点

このほか、FFI(外部関数インターフェース)モジュールにgetCurrentEventLoop()が追加され、net.Serverおよびnet.Socketがワーカースレッド間で転送可能になった。さらにbuffer.textStream()が実装され、Blob APIとの互換性が向上している。今回のリリースには破壊的変更が含まれていないため、開発者は大きな移行コストをかけずに、パフォーマンス改善とセキュリティ強化の恩恵を受けられる。