概要
Microsoftは7月29日、Visual Studio Codeの最新版となる1.131をリリースした。今回のアップデートはAIエージェントを活用した開発ワークフローの強化に主眼が置かれており、エージェントが複雑なタスクをサブエージェントに委譲する際の進捗を可視化する機能、拡張機能なしで使えるオンデバイスの音声入力(ディクテーション)機能、Agentsウィンドウ内でMarkdownファイルを直接編集できるハイブリッドエディタなど、複数の実験的機能が新たに追加された。
サブエージェントの可視化とAgent Hostアーキテクチャ
Agentsウィンドウでは、エージェントが処理を委譲したサブエージェントの状態をリアルタイムで確認できるようになった。表示される情報には使用中のモデル名、実行経過時間、アクティブなツール呼び出しが含まれる。サブエージェントを選択すると、そのタスクの完全な進捗を別チャットで確認しながら、親となる会話も引き続き利用できる。
この機能の裏側では、専用プロセスで実行される「Agent Host Protocol(AHP)」の展開が進んでいる。これにより、単一のエージェントセッションを複数のVS Codeウィンドウから同時に接続できるようになり、エージェントの処理と表示側のプロセスを分離するアーキテクチャへの移行が進行中であることがうかがえる。
ディクテーション機能とMarkdownエディタ
実験段階の機能として、チャット・エディタ・統合ターミナルで利用できる組み込みディクテーション(音声入力)機能が追加された。従来必要だった音声認識用の拡張機能なしに、プライベートかつオフラインで動作するNemotronモデルを採用しており、音声データは一切デバイス外に送信されない。設定はdictation.enabled、dictation.showTranscript、dictation.experimental.llmCleanupの各キーで制御する。対応プラットフォームはWindows(x64/Arm64)、macOS(Apple silicon)、Linux(x64/Arm64、glibc 2.34以上)で、VS Code for the WebやIntel搭載Macは非対応となっている。
もう一つの実験的機能であるハイブリッドMarkdownエディタは、workbench.editor.markdownDefaultEditorInAgentsWindow設定を通じてAgentsウィンドウ内でMarkdownファイルの表示・編集を可能にするもので、エージェントが内容に対してコメントを追加できる仕組みも備える。「Reopen Editor With」機能を使えば通常のテキストエディタへの切り替えも可能だ。
その他の変更点
AI関連以外にも、Python Environments機能が100%ロールアウトを完了し、デフォルトの体験として確立された。環境スキャンを並行実行するよう統合したことで、起動速度も向上している。ターミナル周りでは、リサイズ時のオーバーレイ表示をterminal.integrated.resizeDimensionsOverlay.enabled設定で制御できるようになったほか、スクリーンリーダー対応も改善された。また、チャットで/vscode-petと入力すると新しいペットキャラクターが登場する遊び心のある実験的機能も追加されている。
今回のリリースは、サブエージェントの可視化やAgent Host Protocolの展開など、AIエージェントを中心とした開発体験の刷新が続いていることを示しており、今後のアップデートでもエージェント関連機能のさらなる強化が見込まれる。