概要

カメラ用交換レンズ大手のタムロンは7月30日、ソニーグループから完全子会社化に向けた買収提案を受けたことを公表した。提案は現時点で法的拘束力のないものとされており、タムロンは企業価値向上に向けた選択肢を検討するため特別委員会を設置した。同社は「開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表する」との方針を示しており、現時点でこれ以上公表すべき事項はないとしている。この発表を受け、東京証券取引所は同日午前8時20分からタムロン株の売買を一時停止し、午前8時46分に再開した。

両社の関係と株主構成

ソニーグループはタムロンの主要株主であり、2025年12月末時点で発行済株式の15.35%を保有している。一方で、シンガポールを拠点とする投資会社エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは17.38%を保有しており、株式保有比率ではソニーを上回っている。タムロンはソニーEマウントをはじめ、ニコンZマウントなど各社のカメラシステムに対応した交換レンズを製造しており、監視カメラや工場設備向けレンズ事業も手がける、1950年創業の老舗レンズメーカーである。両社は長年にわたりレンズ供給などを通じて密接な取引関係を築いてきた。

今後の見通し

今回の提案はあくまで法的拘束力のない段階にとどまっており、正式な買収の実現には特別委員会での検討やエフィッシモをはじめとする他の大株主の動向、さらには取締役会や株主の判断など、複数のプロセスを経る必要があるとみられる。タムロンが今後どのような結論を出すか、また株式保有比率でソニーを上回るエフィッシモがどう対応するかによって、交渉の行方は大きく左右されそうだ。続報が公表され次第、詳細が明らかになる見通しである。