概要
韓国のKOSPI指数は7月31日、前日比17.91%高の6595.45で取引を終え、統計開始以来最大となる1日の上昇率を記録した。半導体大手のSK HynixとSamsung Electronicsも急伸し、SK Hynixはストップ高となる29.95%高、Samsungも26.81%高と、いずれも過去最大の上げ幅で取引を終えている。この急騰は、前週にAIバブルへの懸念や中国半導体産業の台頭を背景に記録的な急落に見舞われた韓国市場が、一転して息を吹き返した格好となった。
急落からの経緯
今回の反発に先立ち、韓国市場は深刻な調整局面にあった。7月28日には中国の半導体産業振興策を引き金にKOSPIが10.84%下落し、翌29日にはパニック売りが広がり、KOSPIとして初めてとなる2営業日連続でのサーキットブレーカー発動という異例の事態となった。この急落の背景には、レバレッジ型ETFを軸とした「三重のレバレッジ構造」——取引所外の信用取引、証券会社の追証取引、そして2〜3倍のレバレッジをかけたETF——が存在していたとされる。5月にわずか5兆ウォン規模で始まったレバレッジETF16銘柄は6月には16兆ウォンにまで急拡大しており、7月13日の急落時にはこれらのETFがSK Hynix株を約50億ドル規模で投げ売りしたと分析されている。
反発の背景
市場心理を好転させたのは、米国の大手テック企業による好決算だった。MicrosoftとAmazonが市場予想を上回る決算を発表し、米国株式市場のハイテク株が前日に大幅高となったことが韓国市場にも波及した。特にMicrosoftはAzureの売上高が43%増加した一方でAIインフラ投資を抑制的に進めていることを示し、AI投資の過熱に対する懸念を和らげた。韓国国内では海外投資家の買いが上昇の主な原動力となったほか、ショートカバーやレバレッジETFの機械的なリバランス取引が値動きをさらに増幅させたとみられる。
今後の見通し
もっとも、今回の反発をもって市場が完全に立ち直ったとは言い切れない。KOSPIは急落前の7月27日終値である6700ウォン台を依然として下回っており、SK Hynix株も52週高値の298万7000ウォンから42%安い水準にとどまっている。アナリストの間では、今回の動きは「トレンドの反転ではなく回復局面」との見方が多く、持続的な回復には海外資金の継続的な流入と、レバレッジ依存からの構造的な脱却が必要だと指摘されている。韓国政府はすでに個別株レバレッジETFへの規制を強化し、1銘柄あたりの投資上限を20%に設定するなど対応に乗り出しており、今後は米国のAI投資に対する市場心理の持続性と、半導体各社の2026年第3四半期以降の収益見通しが相場の方向性を左右する焦点となる。