概要

調査会社Synergy Researchが発表した最新データによると、2026年第2四半期の企業向けクラウドインフラ支出は前年同期比43%増となる1430億ドルに達した。これは過去8年間で最も速い成長率であり、過去12ヶ月間の累計市場規模はすでに5000億ドルを突破している。同社の最高分析官は、この加速的な成長の大部分を牽引しているのはAI需要であると指摘しており、生成AIブームがクラウドインフラ市場全体を押し上げる構図が改めて裏付けられた形だ。

市場シェアの構図

プロバイダー別に見ると、依然としてAmazon Web Services(AWS)が28%のシェアで首位を維持し、Microsoft Azureが20%、Google Cloudが15%で続く。上位3社の合計シェアは67%に達し、前年第3四半期時点の63%から上昇しており、大手ハイパースケーラーへの寡占化がさらに進んでいることがうかがえる。第2グループではOracleが4%、AI特化型クラウドとして注目されるCoreWeaveが2%のシェアを確保しており、ニッチプレイヤーも一定の存在感を示している。

AI特化サービスの急拡大

今回の成長を牽引した最大の要因は、AI特化型クラウドサービスの伸びだ。同分野は年間成長率165%という驚異的なペースで拡大しており、Synergy Researchの分析官も「AIが増分成長の大部分を占めている」と明言している。従来型のIaaS/PaaSに加えて、AIワークロード向けに最適化された専用インフラへの投資が、企業のクラウド支出全体を大きく押し上げている構図が浮き彫りになった。

地域別の動向

地域別では、依然として世界最大のクラウド市場である米国がQ2において49%という高い成長率を記録し、世界全体の伸びを大きく上回った。米国以外では、インド、インドネシア、アイルランド、タイ、マレーシアといった国々が世界平均を上回る成長率を示しており、AI需要とデータセンター投資の波が新興市場にも着実に広がりつつあることを示している。

今後の見通し

AI需要を起点とするクラウドインフラ投資の拡大基調は当面続くとみられ、大手ハイパースケーラーによるデータセンター増強や専用AIインフラへの投資競争は今後も加速する可能性が高い。一方で、上位3社への寡占が一段と強まっていることは、価格競争や技術革新の観点から中小プロバイダーやAI特化型スタートアップにとって厳しい競争環境が続くことを示唆している。