概要
Microsoftは7月29日、2026会計年度第4四半期(4〜6月期)決算を発表した。四半期売上高は前年比18%増の900億ドルとなり、市場予想の877億ドルを上回った。GAAP純利益は358億ドル(1株当たり4.81ドル)で前年同期比31%増、調整後EPSは4.74ドルとアナリスト予想の4.24ドルを上回る好決算となった。最大の焦点はクラウド事業「Azure」で、四半期の成長率は前四半期の40%から43%へ加速し、通期のAzure売上高は前年比41%増となって初めて1000億ドルの大台を突破した。
Azureとクラウド事業の成長
Azureおよびその他クラウドサービスの成長率43%は、2022年初頭以来の高水準となる。Microsoft 365 Copilotの有料シート数も3000万件に達するなど、AI関連製品の商用展開が業績を押し上げている形だ。Nadella CEOは決算説明の中で、企業がAI活用の評価基準を「書かれたコードの行数」ではなく「実際のビジネス成果」に転換すべき時期に来ていると強調し、生成AIが試作段階から企業の実運用へと本格的に移行しつつあるとの見方を示した。
AI投資とキャッシュフローへの影響
好調な事業成長の裏で、AIインフラへの投資拡大がキャッシュフローに与える影響も鮮明になっている。第4四半期の設備投資(ファイナンスリース含む)は前年比69%増の410億ドルに達した。CFOのAmy Hoodは、データセンターやAI関連インフラへの需要が供給能力を上回る状態が続いていると説明している。営業キャッシュフローは30%増と堅調だったものの、大規模投資の影響で自由キャッシュフローは23%減少し、Microsoft Cloudの粗利率も65%へと低下した。
今後の見通し
Microsoftは2026暦年の設備投資見通しについて、オフィスおよびデータセンター資産の耐用年数の想定を15年から25年に延長したことを理由に、従来の約1900億ドルから約1750億ドルへ下方修正した。Hood氏は、旺盛なAI需要に対応するための投資は継続する一方、2027会計年度を通じてフリーキャッシュフローのプラスを維持できるとの見通しを示した。記録的なAI投資が利益率やキャッシュフローに与える圧力と、Azureをはじめとするクラウド事業の力強い成長という二つの側面が今後も注目されることになりそうだ。