概要

Appleは7月31日、2026年度第3四半期決算を発表した。売上高は1,094億ドル(前年比16%増)、純利益は298億ドル(同27%増)と増収増益を記録したにもかかわらず、株価は取引開始直後に約8.6%下落し、その後下げ幅を拡大して一時約10%安となった。これは2024年8月以来最大の寄り付き下落幅であり、時価総額にして約4,300億ドルが吹き飛んだ計算になる。好調な決算内容とは裏腹に株価が急落した背景には、サービス部門の成長鈍化と、次期四半期に向けた供給懸念という2つの懸念材料があった。

株価急落の背景

株価下落の直接的な要因は、サービス部門の成長鈍化だ。モバイルゲーム市場の弱含みに加え、複数の地域でアプリストアの事業モデル変更を余儀なくされたことが響いたとみられる。さらに市場が強く反応したのは、iPhone・Macの需要が想定を上回ったことに伴う先端半導体(SoC向け先端プロセスノード)の供給逼迫を理由に、CFOが9月四半期にiPhone・iPad・Macの供給可用性が「著しく悪化する」との見通しを示したことだ。この結果、第4四半期の業績見通しは市場予想を下回る水準にとどまり、投資家の失望売りを誘った。

時価総額でNvidiaに再逆転

今回の決算はティム・クックCEOにとって最後の決算発表となり、次期CEOのジョン・ターナス氏への移行が進む中での発表となった点でも注目された。皮肉なことに、Appleはこの急落のわずか数日前の7月28日、時価総額で初めて5兆ドルを突破し、Nvidiaを抜いて世界最大の企業となったばかりだった。当時の終値はApple が4兆9,500億ドル、Nvidiaが4兆7,600億ドルで、3位のAlphabetは約4兆ドルだった。しかし決算後の急落により、Appleは再びこの首位の座をNvidiaに明け渡す結果となった。

市場ではAppleとNvidiaの評価の違いも際立っている。Appleは成長率17%に対して株価収益率(PER)41倍という、新型コロナウイルス流行初期以来の高水準で取引されており、投資家がAI関連支出の波乱を避ける「避難先」としてApple株を選好してきた面がある。一方のNvidiaは、今年の残り期間で82%、2027年には43%の成長が見込まれるにもかかわらず、PERは相対的に低く「割安」とみられている。市場アナリストの一部は、AIインフラ投資への過熱感が薄れるにつれて、Nvidiaが1年以内に時価総額でAppleを1兆ドル以上上回る可能性があると指摘している。