概要
Nvidiaが、OpenAIがオハイオ州で計画する巨大データセンター施設のリース契約に対し、約2500億ドル規模の金融保証(バックストップ)を提供する交渉を進めていると報じられた。対象となるのは、SoftBankのエネルギー部門であるSB Energyが運営し、完成時には10ギガワットの電力を要する計算能力を備える計画で、プロジェクト全体の費用は5000億ドルを超える見込みだという。実現すればAI業界史上最大級のインフラ投資案件の一つとなり、生成AIをめぐる計算資源需要の急拡大を象徴する動きとして注目を集めている。
契約の詳細
報道によれば、Nvidiaが検討している保証は建設に伴う債務とリース契約自体の両方をカバーするもので、初期段階の交渉が進められている。これとは別に、OpenAIのチップ調達に関しても、Nvidiaが最大3500億ドル規模の取り決めを協議しているとされる。Nvidiaはすでにこれまでにも300億ドルをOpenAIに投資しており、今回検討されている保証はそれに次ぐ大規模な関与となる。データセンターは最終的に10ギガワット規模(大型原子炉10基分に相当する出力)を目指すが、まずは2028年をめどに800メガワット規模の初期フェーズを稼働させる計画だ。
背景
このプロジェクトは、2025年に締結された米国と日本の間の戦略的貿易・投資協定に端を発する。同協定では、日本側が米国の関税引き下げと引き換えに、オハイオ州の連邦所有地における天然ガス発電所への資金拠出を約束していた。建設予定地は、コロンバスの南約80キロメートルに位置する、かつてウラン濃縮施設として使われていた連邦所有の土地で、商務長官のハワード・ラトニック氏が電力配分の調整に関与しているという。収益構造としては、日本側が投資回収を終えた後、政府側の取り分が最終的に90%に達する仕組みになっているとされる。主要テナントはOpenAIだが、Anthropic、Microsoft、Googleといった他の主要AI関連企業も同施設への関心を示しているとされる。
循環型融資への懸念
一方で、市場関係者からはこうした巨大投資の構造そのものへの懸念も出ている。Allspring Global InvestmentsのGary Tan氏は、Nvidiaによる投資や提携がAIインフラへの長期的な信頼を強化する側面がある一方で、投資家は業界内で資金が循環する「循環型融資」の構造について懸念を抱いていると指摘する。国際決済銀行(BIS)も、投資リターンの期待値低下が、現在の設備投資ブームから一転して投資の落ち込みを招く可能性があると警告しており、AI関連の巨額インフラ投資が持続可能かどうかは今後も焦点であり続けそうだ。