概要
韓国のサムスン電子とSKハイニックスは、米国の大手テクノロジー企業との間で、今後5年間にわたり総額9500億ドル(約1375兆ウォン)規模の半導体供給・製造パートナーシップを締結したと発表した。SKハイニックスはNvidiaを含む米国企業向けに7500億ドル分のメモリーチップを供給する契約を結び、サムスン電子はBroadcomとの間で2000億ドル規模のAIチップ製造・供給に関する覚書を交わした。これに加え、SKハイニックスはNvidiaおよびパートナー企業と共同で5000億ドルを超える次世代メモリー開発プログラムも進める。
発表の背景
今回の合意は、李在明大統領のサンフランシスコ訪問に合わせて発表された。大統領はNvidia、OpenAI、Anthropicをはじめとする企業幹部を招いたAIサミットに出席し、米韓の技術協力拡大を掲げる「サンフランシスコAI宣言」の一環としてこのパートナーシップを公表した。今回の訪問は、韓国政府が推進する半導体・AIデータセンター・フィジカルAIという3つの重点プロジェクトを後押しする狙いがあるとされる。
契約の性質と政府の説明
韓国大統領府の政策室長は、これらの契約が投資ではなく「将来メモリーチップを生産すれば購入する」という先物契約であると説明した。その上で、この枠組みにより韓国企業は生産計画をより安定的に立てられるようになると強調している。韓国当局の推計によれば、米国企業は韓国の半導体拡張計画を支える需要の80〜90%を占めており、AI向け半導体の需要拡大とメモリー不足を背景に、米国のAI関連企業が事前に生産能力を確保しようとする動きが今回の大型契約につながったとみられる。
意義と今後の見通し
今回の一連の契約は、韓国を「AIが構築・供給され、迅速に展開される拠点」として位置づけ、グローバルなAIサプライチェーンにおける韓国の役割を強化するものだ。サムスン電子とSKハイニックスという韓国の二大メモリーメーカーがそろって米国の主要AI企業と長期契約を結んだことで、両社は今後数年にわたる需要の見通しを確保し、大規模な設備投資を進めやすくなる。一方で、AI向け半導体需要の急拡大とメモリー不足という構造的な要因が今回の契約の背景にあることから、今後も同様の大型サプライチェーン契約が相次ぐ可能性がある。