概要

米国時間2026年7月24日(金)朝、Amazon Web Services(AWS)のUS-WEST-2リージョン(オレゴン)で地域的なネットワーク接続障害が発生し、DoorDash、Reddit、Hulu、Apple Pay、PlayStation Networkなど多数の主要サービスが約80分間にわたって利用不能となった。AWSは障害発生を認めた直後、影響を受けたサービスを当初5つと発表していたが、その後Global AcceleratorとElastic Container Service(ECS)を追加し、合計7サービスに拡大したと報告した。

障害の発生から復旧まで

AWS側の事後報告(ポストモーテム)によると、接続障害は太平洋夏時間午前3時55分から4時15分の間にUS-WEST-2リージョンで発生した。AWSが正式に問題を認知して公表したのは同日午前4時40分(米東部時間午前7時40分)で、実際の障害発生から公表までにはタイムラグがあった可能性がある。原因は、同リージョンからシアトル都市圏へのルーティングを担うネットワーク機器の不具合と特定されており、これが連鎖的に外部からの接続断を引き起こした。AWSは米東部時間午前9時過ぎに問題解決を発表しており、最初の報告から解決までの時間は合計で約80分だった。

相次ぐクラウド大手の障害

今回の障害は、AWSにとってここ3カ月で3件目となる注目度の高い信頼性トラブルである。5月にはデータセンターの熱関連の問題、6月にはネットワーク障害がそれぞれ発生しており、さらに7月16日にはCloudFrontの設定読み込みに起因する大規模障害(協定世界時7時45分から11時18分まで約3時間33分)も起きたばかりだった。加えて、同じ週の7月23日には競合のMicrosoft Azureでも西部米国(West US)リージョンでネットワーク障害が発生している。こちらはメンテナンス自動化プロセスの不具合により重要なネットワークルートが誤って削除されたことが原因で、Teams、Outlook、SharePoint、OneDrive、Copilot、Xbox Liveなど幅広いMicrosoft系サービスが約2時間半にわたり影響を受けた。

今後の展望

原因や規模は異なるものの、大手クラウドベンダー2社が同じ週に相次いで障害を起こしたことで、現代のインターネットサービスの多くが少数のクラウドプロバイダー、さらには特定リージョンのネットワーク機器という単一障害点に依存しているリスクが改めて浮き彫りになった。今回のAWS障害では、決済(Apple Pay)、フードデリバリー(DoorDash)、エンターテインメント(Hulu、PlayStation Network)、SNS(Reddit)など業種を横断して影響が及んだことから、マルチリージョンやマルチクラウド構成による冗長化の重要性を訴える声が業界内で強まると見られる。