概要

Googleは2026年7月21日、Geminiシリーズの新モデル3種「Gemini 3.6 Flash」「Gemini 3.5 Flash-Lite」「Gemini 3.5 Flash Cyber」を発表した。主力となる「Gemini 3.6 Flash」はコーディングや知識作業、マルチモーダル性能を前世代の3.5 Flashから引き上げつつ、トークン使用量を最大17%削減し、コスト効率を改善している。知識のカットオフも2026年3月まで更新された。今回の発表でGoogleが強調しているのは、スケール時の生成AIエージェント構築に向けた「効率性・遅延時間・信頼性」の追求であり、単純な性能競争ではなくエージェント運用を見据えたモデル設計へと軸足を移していることがうかがえる。

新モデルのラインナップ

3モデルはそれぞれ異なる用途を想定して設計されている。「Gemini 3.6 Flash」はシリーズの主力モデルで、コーディングや知識タスク全般をカバーする汎用モデルとして位置づけられる。「Gemini 3.5 Flash-Lite」はシリーズ中で最もコスト効率に優れたモデルで、大量呼び出しを前提とした軽量ワークロード向けだ。一方「Gemini 3.5 Flash Cyber」は、サイバーセキュリティの脆弱性発見と修正に特化した専門モデルであり、一般公開ではなく政府機関や信頼できるパートナー企業向けの限定アクセスプログラムとして提供される点が特徴的である。

フラッグシップ「Gemini Pro」更新の遅延

一方で今回の発表からは、旗艦モデルである「Gemini Pro」の更新が見送られた。前回のPro系モデルの更新は2月まで遡り、Bloombergの報道によれば、Googleは内部の性能目標を達成できず「3.5 Pro」のローンチが遅延しているという。Google DeepMindのプロダクトリードであるLogan Kilpatrick氏は、現在パートナー企業とのテストを進めている段階であり、「近い将来のローンチを望んでいる」とコメントした。

Gemini 4に向けた布石

Kilpatrick氏は同時に、次期フラッグシップとなる「Gemini 4」に向けて「最も野心的なプリトレーニング実行」を開始したことにも言及している。Pro系モデルの遅延はGoogleにとって性能目標の高さゆえの足踏みとも読み取れる一方、Flashシリーズの着実な改善とGemini 4への布石が並行して進んでいることから、Googleが短期的な効率改善と長期的な性能飛躍の両輪でGeminiシリーズを展開していく方針であることが見て取れる。