概要

韓国・蔚山の現代自動車工場で7月13〜15日、ヒューマノイドロボット「Atlas」の生産ライン導入方針に反発した組合員によるストライキが実施された。ボストン・ダイナミクス製のAtlasを25,000台以上導入するという現代自動車の計画が引き金となり、約35,000人の労働者が参加、同社の世界生産の約50%に影響が及んだとされる。自動車業界において、ヒューマノイドロボットの導入そのものを理由とした労働争議は今回が初めてとみられ、7月20〜22日にも追加のストライキが予定されている。

Atlas導入計画とコスト見通し

現代自動車が計画するAtlasの導入コストは、現時点で1台あたり130,000〜140,000ドルとされる。同社は生産台数が50,000台に達した段階でコストを約30,000ドルまで引き下げることを目指しており、年間30,000台の製造目標を掲げている。配備はまず米国内の工場から開始する方針で、韓国国内の工場への配置スケジュールはまだ確定していない。

組合の主張と今後の焦点

組合側の要求は「労使合意なしに、いかなるロボットも現代自動車の職場に導入させない」という点に集約される。人員削減そのものへの反対というより、導入プロセスにおいて労使間の事前協議・合意を経ることを求める、先制的な労働条件保護の色合いが強い。今回のストライキは労使合意なしのロボット配備計画に対する異議申し立てとして行われ、7月20〜22日の追加ストにより、対立がさらに長期化する可能性がある。

業界への波及

テスラ、BMW、メルセデス・ベンツなど主要自動車メーカーは、生産ラインへの自動化投資を積極的に進めている。現代自動車での今回のストライキは、ヒューマノイドロボット導入を巡る労使交渉の重要な前例となる可能性があり、他の自動車メーカーにおける同様のロボット導入計画にも影響を与えることが注目されている。