概要
Microsoftは2026年7月15日、Visual Studio Codeの最新版「1.129」をリリースした。目玉となるのは、CopilotやClaude、Codexといったエージェントハーネスを専用プロセス上で実行する新アーキテクチャ「Agent Host」の導入である。あわせて、チャットメッセージの先頭に!を付けることでその内容をターミナルコマンドとして直接実行できる機能や、Agentsウィンドウのレイアウト改善など、AIエージェントを軸とした開発体験の強化が図られている。
Agent Hostアーキテクチャの詳細
Agent Hostは、エージェントハーネスを動かすための専用プロセスであり、「Agent Host Protocol(AHP)」に基づいて動作する。セッションが独立したプロセス上に存在するため、「セッションは自身のプロセス内で稼働するため、同一セッションを複数のVS Codeウィンドウから同時に接続・描画できる」という特性を持つ。これにより、異なるワークスペースを開いた複数ウィンドウ間で同じエージェントセッションの進行状況を確認したり操作したりすることが可能になる。
この機能はchat.agentHost.enabledという組織レベルで管理される設定によって有効化され、エディタやAgentsウィンドウのハーネスドロップダウンから利用するエージェントを選択する形で使う。対応するハーネスとしてCopilot、Claude、Codexの3つが明示されており、Copilotエージェントは「Copilot SDK」によって動作し、Copilot CLIやスタンドアロン版のGitHub Copilotアプリと挙動を揃えているという。Claudeをエージェントハーネスとして使う場合は、chat.agents.claude.preferAgentHostという専用設定を有効にする必要がある。なお、Agent Hostは現時点でも開発が継続中であり、Microsoftは段階的にユーザーへの展開を進めている段階としている。新機能の一部は、エージェントがAgent Host上で動作している場合にのみ利用可能になる点にも注意が必要だ。
チャットからのターミナル操作
もう一つの主要な追加機能が、チャットメッセージに!を付けることでその内容をターミナルコマンドとして実行できる仕組みである。この機能はAgent Hostセッション上で動作し、エディタとAgentsウィンドウの両方で利用できる。これにより、エージェントとの対話の流れを崩さずに、コマンドの実行結果をその場で確認しながら作業を進めやすくなる。
その他の主要な変更点
このほか、Agentsウィンドウではsessions.layout.singlePaneDetailPanel設定により、チャットと編集パネルを1つのペインに統合した新しいレイアウトをプレビューできるようになった。エージェントが他のセッションを列挙・作成・監視・操作できるセッション管理ツールも追加され、複数タスクの並行処理がしやすくなっている。さらに、GitHub Enterprise環境でのCopilot利用対応、Agentsウィンドウでのカスタムモデル(BYOK)サポート、workbench.experimental.modernUI設定によるUI刷新版のプレビュー、workbench.diffEditorAssociationsによる差分エディタの割り当て設定に加え、ファイル・差分・マージエディタごとに優先度を指定できる提案API「customEditorPriority」など、エディタ全体にわたる改善が盛り込まれている。
今後の展望
Agent Hostはまだ開発途上の機能であり、対応ハーネスや利用可能な機能は今後のリリースを通じて拡充されていくとみられる。複数ウィンドウからの同一セッション接続という仕組みは、チーム開発や複数タスクの並行管理においてAIエージェントの活用範囲を広げるものであり、VS Codeにおけるエージェント統合の今後の方向性を示す重要な一歩といえる。