概要

台湾積体電路製造(TSMC)は7月16日、2026年第2四半期の決算を発表し、純利益が前年同期比77.4%増の7065.6億台湾ドル(約220億ドル)に達し、5四半期連続で過去最高益を更新したことを明らかにした。売上高も前年比36%増の1兆2700億台湾ドル(約402億ドル)となり、アナリスト予想の1兆2640億台湾ドルを上回った。市場予想(LSEGスマート予想の6326億台湾ドル)も大きく上回る結果となり、好調な業績はNvidiaやAppleなど主要顧客からのAI半導体需要の急拡大が牽引した。

同社はこの好調な業績を背景に、米アリゾナ州への追加投資として新たに1000億ドルを投じる方針も発表した。これによりアリゾナ州における累計投資額は2650億ドルに達する見通し。CEOのC.C.魏氏は、今後さらに4つの工場が同地に建設される可能性があると示唆しており、米国内での先端半導体生産能力の大幅な拡大が進むことになる。

技術的な詳細

第2四半期の売上高構成をみると、AI半導体を含む高性能コンピューティング(HPC)分野が全体の66%を占め、スマートフォン向けが22%で続いた。また7ナノメートル以下の先端プロセスがウェハ売上高の77%を占め、TSMCの技術優位性が業績を押し上げている構図が鮮明になった。6月単月の売上高は4426.8億台湾ドルと過去最高を記録している。

アリゾナ州への追加投資は、2ナノメートル世代の先端製造施設および先端パッケージング設備の拡充に充てられる見込み。TSMCは2026年通期の設備投資見通しも従来の520億〜560億ドルから600億〜640億ドルへと上方修正し、今後3年間の累計投資額は過去3年間を上回る規模になるとしている。

今後の見通し

TSMCは第3四半期の売上高について446億〜458億ドル、営業利益率56〜58%になるとの見通しを示した。同社CFOは2ナノメートルプロセスの急速な量産立ち上げが業績を牽引していると説明しており、AI需要を背景とした高水準の成長が当面続く見込みだ。旺盛な需要に対応するための積極的な設備投資と米国内生産拠点の拡大は、地政学的なリスク分散と先端半導体のサプライチェーン強化という観点からも注目される。