概要
Microsoftは7月8日、Visual Studio Codeの最新版となる「VS Code 1.128」をリリースした。目玉となるのは、1つの親セッションの中で複数の関連するチャットを並行して扱える「マルチチャットセッション」機能だ。Claudeなどのエージェントホストセッションにおいて、異なるアプローチを比較したり、途中のターンから分岐させたり、複数の作業を同時並行で進めたりできるようになった。各チャットはそれぞれ独立した履歴・タイトル・モデル選択を保持しつつ、一つのグループとしてまとめて管理されるため、作業がバラバラの独立セッションに分散してしまう問題を避けられる。あわせて、画像やPDFをチャットに添付できる「Copilot Vision」が正式にGA(一般提供)となったほか、VS Codeがフォーカスされていない状態でもコマンドを実行できる「OSレベルのキーボードショートカット」など、複数の機能強化が同時に投入された。
技術的な詳細
マルチチャットセッションでは、エージェントホストのセッション配下に複数の子チャットをぶら下げる形で管理する。各チャットは独自の会話履歴・タイトル・使用モデルを持てるため、たとえば同じタスクに対して異なるモデルやアプローチで並行して試行し、後から結果を比較するといった使い方が可能になる。セッション内の各チャットへは直接ディープリンクできるほか、複数チャット間を素早く移動するためのナビゲーションショートカットも用意された。
Copilot Visionは、チャットへの画像・PDFファイルの添付に対応する機能で、ペースト・ドラッグ&ドロップ・右クリックメニューのいずれからも添付でき、エージェントはツール呼び出しを通じてその内容を読み取れる。今回のリリースでプレビューを終え、正式に一般提供(GA)となった。
このほか、キーバインド設定にsystemWide: trueを指定することで、VS Codeがフォーカスを失っていてもコマンドを起動できる「OSレベルのキーボードショートカット」が導入され、Agentsウィンドウなどへの素早いアクセスに活用できる。ワークスペースに紐付かない「クイックチャット」も追加され、⌘K ⌘N(Linuxではcmd+K cmd+N)から起動可能で、特定プロジェクトに関係しない質問向けに、リロードをまたいで独立したセッションとして保持される。そのほか、カスタムエンドポイントに対する温度(temperature)やtop_pなどのサンプリングパラメータ設定、エージェントホストセッションでの実験的なBYOK(Bring Your Own Key)モデル対応、エンタープライズ向けのOpenTelemetryテレメトリ管理、ブラウザタブの配置先を選べるworkbench.browser.newTabPlacement設定なども今回のアップデートに含まれている。
今後の展望
マルチチャットセッションやBYOKモデル対応の実験的サポートは、複数のAIエージェントを組み合わせて開発を進める「マルチエージェントワークフロー」への対応を強化する動きの一環と見られる。Copilot VisionのGA化により、スクリーンショットや設計資料などの非テキスト情報を交えたやり取りがより日常的な開発フローに組み込まれていくことが期待される。