概要
Microsoftは2026年7月1日、Visual Studio Codeの最新版となる1.127をリリースした。今回のアップデートでは、AIエージェントによるブラウザ操作機能が正式版(GA)となったほか、サイトごとのブラウザ権限管理、macOS/Linux向けターミナルコマンドのサンドボックス実行、複数チャットセッションの整理機能など、AIエージェントを軸にした開発体験の強化が中心となっている。
ブラウザ操作機能のGA化とサイトごとの権限管理
エージェントが統合ブラウザ上でWebアプリをビルド・テストできる機能が、設定workbench.browser.enableChatToolsのもとで正式提供された。この機能により、エージェントは外部のMCPサーバーを介さずに、スクリーンショットの取得、ページ内要素の選択、テキスト入力、ページ遷移といった操作を直接実行できる。
これに合わせて、サイトごとのブラウザ権限設定も新たに導入された。位置情報、カメラ・マイク、加速度計・ジャイロスコープ、クリップボード、Bluetooth・USB・シリアル・HIDといった各種Web APIへのアクセスについて、サイトごとに許可・ブロックを選択でき、「Site Permissions」メニューから一元管理できる。
ターミナルのサンドボックス実行とAgentsウィンドウの改善
セキュリティ面では、macOSおよびLinux環境において、エージェントが実行するターミナルコマンドをサンドボックス内で実行できるようになった。ネットワークアクセスのブロックやファイルシステムアクセスの制限を伴う環境でコマンドを動かすことで、サンドボックス外での実行が必要な場合にのみ承認を求める仕組みとなり、これまで頻発していた承認プロンプトを削減しつつ安全性を確保している。
Agentsウィンドウでは、関連するセッションをグループ化してヘッダーで折りたたんだり、ドラッグ&ドロップで並び替え・グループ追加・ピン留めを行えるようになった。また、1つのエージェントセッション内で複数の独立したチャットを同時に実行できるようになり、各チャットの進捗や変更内容がまとめて集約表示される。CI失敗やプルリクエストのコメントに対しては、チャット入力欄上部に表示される「Chat input banner」から直接対応できるほか、コード行にホバーすると表示される「Add Feedback」グリフを使って、エージェントへのフィードバックをインラインコメントとして挿入することも可能になった。
今後の展望
このほか、サブエージェントが消費したAIクレジットをホバー表示で確認できるコスト管理機能や、カスタム指示が無視される原因や応答遅延を診断する/troubleshootコマンドも追加された。エンタープライズ向けには、managed-settings.jsonによるCopilot設定のファイルベース配信や、BrowserChatTools・ChatAgentNetworkFilterといったポリシーによるブラウザツール制御機能も強化されており、組織単位でのAIエージェント機能の管理・統制がより容易になった。なお、組み込みのOllamaプロバイダーは非推奨となり、公式拡張への移行が推奨されている。一連の変更から、VS Codeがエージェントによる自律的な開発作業を前提に、安全性と管理性を両立させる方向へ舵を切っていることがうかがえる。