概要
Microsoftは2026年7月6日、全従業員の約2.1%にあたる4,800人規模の追加人員削減を発表した。最も大きな打撃を受けたのはXbox部門で、1,600人が削減対象となった。Xbox部門では2027会計年度末(2027年6月30日)までに合計約3,200人が削減される見込みで、うち1,600人は今回の4,800人削減に含まれ、残る約1,600人が2027会計年度中に順次削減される。今回の発表は一連のリストラの一部に過ぎない。Xbox CEOのAsha Sharma氏はこれを「Xbox史上最大の再編成」と表現し、「我々のビジネスは健全ではない」と自ら認める異例のコメントを残した。同氏はまた、ゲーム業界全体が「歴史上最も深刻なハードウェア危機に直面している」と指摘しており、ゲーム機のハードウェアコスト高騰が業績を圧迫している実態が背景にあるとみられる。
Xbox部門の組織改革
今回の再編では、Xbox部門の意思決定構造そのものにもメスが入る。現状14階層にも及ぶ管理層を最大5階層(理想的には3階層)にまで圧縮する方針が示された。あわせて、Helen Chiang氏がコンテンツ・ハードウェア・プラットフォーム・サービス部門の損益責任を一手に担う新設の最高執行責任者(COO)に就任する。組織のスリム化と権限の一元化を同時に進めることで、意思決定の迅速化とコスト構造の見直しを図る狙いとみられる。
スタジオのスピンオフ・売却
再編の中でも特に注目されるのが、傘下ゲームスタジオの扱いだ。Compulsion GamesとDouble Fine Productionsの2社は独立した企業として再びMicrosoftの傘下を離れることになる。一方、Ninja TheoryとUndead Labsについては新たな所有者への移行が進められる予定で、いずれも進行中のプロジェクトを完成させるための資金が付与されるという。これにより、Microsoftは開発リソースを『Minecraft』のMojangや『Candy Crush』のKingといった主力タイトルを抱えるスタジオへ集約する方針を鮮明にしている。
背景と今後の見通し
Microsoftの最高人事責任者であるAmy Coleman氏は、今回の一連の職務変化について「AIによる置き換えではなく自動化によるもの」との立場を強調した一方で、「業務の自動化が進む中、全従業員が継続的にスキルを習得していく必要がある」とも述べている。ハードウェアコストの高騰や市場環境の厳しさを背景に、Xboxはコンソール事業からコンテンツ・サービス中心の事業モデルへとさらに舵を切りつつあるとみられ、今後も追加のリストラや事業再編が続く可能性がある。