概要
Microsoftは2026年7月1日、TypeScript 7.0のリリース候補(RC)を正式に公開した。このバージョンはJavaScript/TypeScriptで書かれた従来の実装をGo言語で全面的に書き直したものであり、TypeScript 6.0と比較して最大10倍の速度向上を実現している。実際の測定例として、VS Codeのビルド時間が77秒から7秒へと大幅に短縮されており、実用的な場面での改善効果が明確に確認されている。安定版のGA(一般提供)はRCから約1か月以内に予定されており、正式リリースが近づいている。
技術的な詳細
速度向上の主な要因はネイティブコードによる実行速度の向上と、並列処理の大幅な強化にある。TypeScript 7.0では、解析・型チェック・出力生成を含む多くのステップをファイルをまたいで並列実行できるようになった。これにより、大規模なコードベースにおいて特に顕著なパフォーマンス改善が期待される。
RCは以下のコマンドでインストールできる。
npm install -D typescript@rc
既存のTypeScript 6.0との並行利用が必要な場合は、@typescript/typescript6パッケージが提供されており、tsc6コマンドで競合を回避しながら両バージョンを共存させることが可能だ。
今後の展望
プログラムAPI(TypeScriptコンパイラをプログラムから操作するAPI)は現時点ではRC版に含まれておらず、TypeScript 7.1での提供が予定されている。既存のツールやライブラリがTypeScriptコンパイラAPIに依存している場合は、7.1の登場を待つ必要がある。Go実装への移行は過去数年で最大規模のアーキテクチャ変更であり、コンパイラの速度ボトルネックに悩む大規模プロジェクトへの影響は大きいと見られる。