概要

SKハイニックスは2026年6月18日(現地時間)、次世代高帯域幅メモリ「HBM4E」(12層構成)のサンプル出荷を主要顧客向けに開始したと発表した。これはサムスン電子が5月29日に同様の発表を行ってから約3週間後のことで、両社ともに顧客評価(カスタマークオリフィケーション)フェーズへと進んだことになる。AIサーバー需要の急増を背景に、次世代メモリをめぐるトップ2メーカーの競争が一段と激しくなっている。

技術仕様と差別化ポイント

SKハイニックスのHBM4Eは容量48ギガバイト、ピン速度最大16Gbpsというスペックを持ち、サムスンが発表した仕様と同等の数値を示している。一方で同社は、前世代のHBM4と比較してエネルギー効率が20%以上向上した点と、独自の「MR-MUF」パッケージング技術によって熱抵抗を約17%低減した点を主要な差別化点として強調している。サムスンが1c世代DRAMと4ナノメートルロジックベースダイを組み合わせた独自アプローチを打ち出したのに対し、SKハイニックスは過去のHBM世代で培ってきた実績と「フルスタックAIメモリクリエーター」としての地位を前面に押し出している。

市場競争とマイクロン参入

2026年第1四半期時点において、SKハイニックスのHBM市場シェアは約58%で依然として首位を維持しているが、1年前の約69%からは低下している。サムスンとマイクロンがそれぞれ約21%のシェアを持ち、3社による競争構図が形成されつつある。マイクロンは来年以降にHBM4Eの量産を計画しており、市場への本格参入が今後の焦点となる。

今後の展望

現時点では、SKハイニックス・サムスンともにサンプル出荷にとどまっており、顧客評価の通過や量産開始には至っていない。両社の主要ターゲットとなるのは、来年リリースが予定されているNvidiaの次世代アクセラレーター「Rubin Ultra」プラットフォームとみられており、量産体制の確立に向けた技術的優位の証明が今後の鍵を握る。AI向けインフラ投資が世界的に加速するなか、HBM4E市場でのシェア争いはますます熾烈になりそうだ。