概要
カナダ・バンクーバーを拠点とする核融合エネルギースタートアップGeneral Fusionは2026年1月、SPAC企業Spring Valley Acquisition Corp. III(Nasdaq:SVAC)との約10億ドル規模のビジネスコンビネーションを通じてNasdaqへの上場を目指すと発表した。実現すれば、世界初の上場純粋核融合企業となる。6月には、TIMEが選出する「2026年世界トップGreenTech企業」にも選ばれ、8,300社超の応募企業の中からトップの評価を受けた。
独自技術:Magnetized Target Fusion (MTF)
General Fusionが開発するMagnetized Target Fusion(MTF)技術は、他の核融合アプローチで一般的に使われる超伝導磁石や高出力レーザーを使わない点が特徴だ。既存の産業用素材と機械的な圧縮機構を組み合わせた耐久性の高い設計により、費用対効果の高いエネルギー生産を目指している。現在稼働中のデモンストレーション機「LM26」は2025年初頭に稼働を開始し、商用規模の50%の直径でプラズマの機械的圧縮を実施している。同社は段階的にプラズマ温度を1 keVから10 keVへ引き上げ、最終的には核融合の持続的反応を示すLawson基準の達成を目標としている。
上場と今後の展望
2002年の設立以来、グローバルなエネルギー系ベンチャーキャピタルや業界リーダーから資金調達を続けてきたGeneral Fusionにとって、Nasdaq上場は事業拡大に向けた重要な節目となる。同社は2030年代半ばを目途に商業用核融合発電所の設置を目指しており、上場によって得られる資金をLM26の開発加速と商用化への道筋構築に充てる計画だ。核融合エネルギー分野全体への関心が高まる中、General FusionのTIME受賞と上場計画は、民間主導の核融合開発が新たな段階へ進みつつあることを示している。