概要
Appleは2026年6月8日、年次開発者会議「WWDC 2026」を開幕した。完全オンライン形式・無料参加で6月12日まで開催される今回の基調講演では、GoogleのGeminiモデルを基盤とした新Siriの大規模リニューアルが最大の目玉として発表された。Tim Cook CEOは「よりパーソナライズされたSiriをユーザーに届けることを楽しみにしている」とコメント。また、今回の基調講演はCook氏にとって最後のものとなり、2026年9月からJohn Ternusが後継CEOに就任することが正式に確認された。
新Siri:Gemini統合とAI機能の全面刷新
今回のSiri刷新の核心は、2026年1月に締結されたGoogleとの提携によるGeminiモデルの採用だ。新Siriは独立したアプリとして提供され、「拡張機能(Extensions)」によりテキストと音声の両モードに対応する。Dynamic Island内に「Search or Ask」プロンプトが表示される新インターフェースが導入され、クロスアプリ操作・画面認識・パーソナルコンテキストの活用といった機能が利用可能になる。
さらに、Claude(Anthropic)やGeminiなどサードパーティの大規模言語モデルとの統合も実現した。ユーザーはWriting ToolsやImage Playgroundのデフォルトエンジンとして任意のAIサービスを選択できるようになり、Apple製エコシステムの枠を超えたAI活用が可能となった。
iOS 27・macOS 27:パフォーマンス重視の「Snow Leopard」的刷新
iOS 27・macOS 27・iPadOS 27は、内部では"Snow Leopard的アップデート"と位置づけられており、バグ修正と不要なコードの整理によるパフォーマンス向上が主眼となっている。機能面では、Wallet・Safari・Shortcutsへ拡大されるApple Intelligence、キーボード自動補正の改善、Apple Mapsへの衛星通信接続サポートなどが盛り込まれた。対応デバイスはiPhone 12以降で、iPhone 11は本バージョンからサポート対象外となる。
また、iOS 27は2026年9月に発売予定のApple初の折りたたみiPhone「iPhone Fold」に対応し、2つのアプリを左右に並べて表示できるマルチウィンドウ機能を提供する。
ハードウェアと今後の展望
今回のWWDCはソフトウェアが中心で、ハードウェアの大型発表は見送られた。M5 Max/Ultra搭載Mac StudioやM5 iMacなどのMac新モデルは、世界的なメモリチップ不足の影響で年末まで発売が難しい見通し。Apple TV 4K・HomePod miniの新版やスマートグラス、カメラ搭載AirPods、タッチスクリーン付きスマートホームデバイス「HomePad」なども、改善されたSiriとApple Intelligenceへの依存から秋以降の発表が想定されている。今後6月12日まで開催されるセッションでは、開発者向けの技術的な詳細が順次公開される予定だ。