概要
AWSは2026年5月28日、次世代AWS Resilience Hubの一般提供(GA)を発表した。AWS Resilience Hubはアプリケーションの耐障害性(レジリエンス)を評価・テスト・改善するためのマネージドサービスであり、今回の次世代版ではエンタープライズ規模のクラウドワークロードを対象に、可用性目標(RTO/RPO)の達成状況を継続的に監視・改善する基盤として大幅に機能が強化された。15のAWSリージョン(北米・欧州・アジア太平洋・南米)で即日利用可能となっており、既存ユーザー向けには段階的な移行ガイダンスも提供されている。
新しい3階層アプリケーションモデル
次世代版の中核となる変更点は、「システム・ユーザージャーニー・サービス」という3階層の階層構造を採用した新しいアプリケーションモデルだ。このモデルはビジネス価値の配信プロセスを反映した設計となっており、複雑なエンタープライズアプリケーションの構成を論理的に整理・管理しやすくする。また、「依存関係探索アセスメント(dependency discovery assessments)」機能により、AWSサービス・内部エンドポイント・サードパーティエンドポイント間の依存関係を自動的に検出し、常に最新の状態で把握できるようになった。これにより、障害発生時の影響範囲の特定や、レジリエンス改善施策の優先順位付けがより正確に行えるようになる。
AI駆動の推奨機能と組織横断的な管理
次世代版では生成AIを活用した分析機能が追加された。AWS Well-Architectedのベストプラクティスと各組織固有のポリシーに基づき、優先順位付けされた実行可能な改善推奨事項を自動生成する。これにより、担当エンジニアはレジリエンス上のリスクを迅速に特定し、対応の優先度を判断できるようになる。さらに、AWS Organizationsとの統合により、中央チームが複数アカウント・複数リージョンにわたってポリシーの定義と監視を一元管理できる機能も追加された。大規模なマルチアカウント環境を運用する組織にとって、ガバナンスの強化とオペレーション効率の向上が期待される。