概要

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は2026年6月初頭に発表したQ2 FY2026決算で、売上高が前年同期比40%増の約107億ドルに達し、過去最高を更新した。Non-GAAPベースのEPSは0.79ドルと、会社が当初示していたガイダンス(0.51〜0.55ドル)を大幅に超過。2018年以来最大の上方乖離とされ、発表翌営業日の株価は30%超急騰した(年初来では約97%高)。この好決算は企業のオンプレミスAIインフラへの投資加速を鮮明に示すものとして市場の注目を集めた。

セグメント別の業績ハイライト

売上成長を牽引したのはサーバー事業とネットワーキング事業の2本柱だ。サーバー部門の売上は前年同期比33%増と大幅に拡大し、AIワークロード向け高性能サーバーへの需要が継続していることを裏付けた。ネットワーキング部門はさらに際立ち、前年比148%増という驚異的な伸びを記録した。この急成長の主な要因は2025年7月に完了したJuniper Networks買収の統合効果であり、ネットワーク製品ラインアップが一気に拡充されたことが大きく貢献した。

経営陣のコメントと受注動向

CEOのアントニオ・ネリ氏は決算発表後の電話会議で「記録的な売上高、予想を上回る収益性、フリーキャッシュフローの増加」を強調した。特に注目されたのは受注の質に関するコメントで、「過去の景気サイクルとは異なり、キャンセルはゼロ」と述べ、顧客のコミットメントが強固であることを示した。また受注額は売上高の伸びを2倍以上上回るペースで増加しており、今後複数四半期にわたる売上貢献が見込まれるとした。

通期見通しの上方修正と長期目標の前倒し

好調な業績を受け、同社はFY2026通期の売上高成長率ガイダンスを29〜33%に引き上げた。フリーキャッシュフローの見通しも少なくとも35億ドル以上へと増額し、当初掲げていた長期目標の達成時期を2年前倒しすることを表明した。HPEの好決算はSuper Micro Computer(SMCI)の株価も5%押し上げるなど(年初来67%高)、AIインフラ市場全体のセンチメント改善につながった。企業のAI投資が過去の一過性ブームとは異なる持続的な需要であることを示す決算として、業界全体に強いポジティブシグナルを発した形だ。