事故の概要
2026年5月28日夜(米東部時間午後9時頃)、Blue OriginのNew Glenn大型ロケットがフロリダ州ケープカナベラルの発射台で静的燃焼テスト(エンジン点火試験)中に爆発した。この試験は、同ロケットの第4回打ち上げに向けた準備として行われていたもので、ロケットには燃料が満タンに充填されていたため爆発の規模が拡大した。Blue Originは公式声明で「異常(anomaly)が発生した」と認めたが、根本原因はまだ特定されていないとしている。CEOのジェフ・ベゾス氏は「根本原因を特定するには時期尚早だが、すでに調査を進めている」とコメントした。
周辺には爆発物の飛散に関する安全警告が発令されたものの、現場にいた全ての作業員の安全が確認されており、けが人はいなかった。米連邦航空局(FAA)も航空交通への影響はなかったと確認している。今回の爆発は米国の宇宙開発史上でも最大規模のロケット爆発の一つと位置づけられており、Blue Origin社にとっても最大の失敗となった。
事業・計画への影響
直接的な影響として、6月初旬に予定されていたAmazonのLeo(低軌道)インターネット衛星群の打ち上げ(第4ミッション)が無期限延期となった。Blue Originは2026年中にNew Glennを最大12回打ち上げる計画を掲げており、今回の事故はその計画全体を大きく揺るがすことになる。
さらに、NASAのアルテミス月探査計画や米国防総省の国家安全保障関連ミッションへの影響も懸念されている。Blue Originはアルテミス計画においてNASAの重要パートナーとして位置づけられているため、ロケットの運用再開が遅れるほどNASAの月面着陸スケジュールに対するリスクも高まる。
背景と文脈
New Glennをめぐっては、今回の静的燃焼テスト爆発の直前にも深刻なトラブルが続いていた。2026年4月には第3ミッション中に上段エンジンの極低温燃料系統で異常が発生し、顧客のAST SpaceMobile社の衛星を軌道に届けることができず喪失するという失敗を経験していた。その後、FAAから飛行再許可を受けたばかりのタイミングでの爆発となり、同社の信頼性と品質管理体制に対して厳しい目が向けられている。Blue Originは事故原因の調査を続けており、今後の運用再開に向けた詳細なスケジュールは現時点では明らかになっていない。