概要

Anthropicは2026年5月28日、フラッグシップモデルClaude Opus 4.7の後継となるClaude Opus 4.8を正式リリースした。コーディング・推論・知識作業など複数のベンチマークで前バージョンを上回る性能を示しつつ、価格は据え置き。さらにFastモードのコストを従来比3分の1に引き下げ、速度は約2.5倍に向上させた。Claude APIおよびclaude.aiで即日利用可能となっている。

ベンチマーク性能の向上

Opus 4.7から4.8にかけて各指標で明確な改善が見られる。エージェント型コーディング(Terminal-Bench 2.1)は64.3% → 69.2%、多分野推論スコアは54.7% → 57.9%、知識作業スコアは1753 → 1890へ向上。金融分析(Finance Agent v2)は51.5% → 53.9%、コンピュータ操作タスクは82.8% → 83.4%となり、ブラウザエージェント評価Online-Mind2Webでは84%を記録した。複数のベンチマークでGPT-5.5を上回るとAnthropicは主張している。

新機能:ダイナミックワークフローとエフォートコントロール

今回のリリースで注目される新機能の一つがダイナミックワークフローだ。Claude Codeにおいて数百のサブエージェントを並列実行できるようになり、大規模なコードベース移行など複雑なタスクを効率的に処理できる。また、エフォートコントロール機能により、ユーザーはレスポンスの処理レベル(extra / max)を選択可能となった。高い設定では拡張推論が働き精度が上がる一方、低い設定ではトークン消費を抑えられるため、コストと品質のバランスを柔軟に調整できる。Messages APIでもシステムエントリをタスク途中に更新してもプロンプトキャッシュを壊さない仕様が追加された。

安全性と誠実性の改善

Anthropicはモデルの「誠実性」にも力を入れており、コードの欠陥を見落として報告しない確率がOpus 4.7比で4分の1に低下したと発表した。早期テスターからは「適切な質問をし、自分のミスを自ら指摘する」という声が上がっている。アライメント評価でも非整合的な行動の発生率がOpus 4.7を大幅に下回り、ユーザーの自律性を尊重する「プロソーシャル」特性についてはAnthropicの最上位モデルであるMythosと同等水準に達したとされる。

価格と今後の展望

通常利用の価格は入力100万トークンあたり5ドル、出力25ドルで変更なし。Fastモードは入力10ドル・出力50ドルと、前世代のFastモードに比べてコストが3分の1になった。Anthropicは今後、Opusに匹敵する性能を持つ低コストモデルの投入も計画している。また、現在は限定的なサイバーセキュリティ用途にのみ提供されている最上位モデルClaude Mythos Previewについて、「数週間以内」に一般ユーザーへのアクセスを拡大する予定とされており、より強固な安全策の整備が完了次第、提供範囲が広がる見込みだ。