概要
Googleは2026年5月のPixel 10シリーズ向けアップデートにおいて、ブートローダーのアンチロールバックバージョンをインクリメントする変更を行った。この更新により、デバイスは以前のAndroidバージョンへのダウングレードが不可能となる。Googleは公式に「May 2026 update contains a bootloader update that increments the anti-roll back version」と説明しており、古いブートローダーへの切り替えを防止することがセキュリティ強化の主目的とされている。なお、同様の仕組みはPixel 6およびPixel 8シリーズでも既に実装されている。
技術的な仕組みと影響範囲
Pixelデバイスが採用するシームレスアップデートの仕組みでは、ストレージに2つのスロット(アクティブ/非アクティブ)が存在する。アップデート適用後も古いAndroidビルドは非アクティブスロットに残るが、アンチロールバックバージョンが更新されたことで、その古いブートローダーはセキュリティバージョンの検証を通過できず、ブートに失敗する状態となる。
一般ユーザーへの実質的な影響はほぼない。通常の利用において同一メジャーバージョン内でのダウングレードを行う場面は少ないためだ。一方、開発者にとっては懸念材料となる。新しいビルドに深刻なバグが発見された場合でも以前の安定版に戻すことができず、デバイスがリカバリーモードで使用不能に陥るリスクが生じる。記事の著者は、こうしたケースに対応するためのリカバリーツールが少なくとも開発者向けに公開されることが望ましいと指摘している。