概要
CPythonへのRust統合を進めるコミュニティが2026年4月8日に進捗レポートを公開した。最大の変更点は、当初のターゲットだったPython 3.15からPython 3.16へとマイルストーンを後ろ倒しにしたことだ。これにより開発・議論のための時間を十分に確保し、3.16のベータ1が予定される2027年5月までに、コミュニティが変更内容を十分に議論できる体制を整えるという。
達成済みのマイルストーン
最も大きな成果はビルドシステムの完成だ。フォーク上のCPython CIで、全テスト対象プラットフォームにわたってRustを含むクロスプラットフォームコンパイルが正常に動作することを確認した。また、Rustチームとの協力体制を構築し、統合上の技術的課題への対処を進めている。さらに、GitHubのIssueに「api-design」ラベルを付けてRust向け内部APIの設計議論を開始しており、将来のPEP提案の基礎固めが着実に進んでいる。
今後のロードマップ
プロジェクトは2026年3月から7月にかけてのロードマップを示している。4月以降はRust API設計の計画立案と拡張モジュールの実装対象の選定を行い、5月にはAPIの設計を固めて実装に着手するとともに、PyConUS スプリントでの活動を予定している。6月からはPEP草稿の作成を始め、7月中に草稿を完成させてコミュニティに提出する計画だ。コミュニティへの参加は公式Discordで受け付けており、毎週月曜日12:00 PDTに定例ミーティングを開催している。
今後の展望
Python 3.16への組み込みが実現すれば、CPythonの内部実装にRustが正式採用される初のケースとなる。ビルドシステムの整備完了という基盤を踏まえ、今後数ヶ月のAPI設計とPEP策定が統合の成否を大きく左右する局面に入る。Pythonコアチームとの連携を深めながら、段階的かつ慎重に統合を進める方針が明確にされており、大規模言語実装へのRust採用という前例のない取り組みに注目が集まっている。