概要
Node.js 26.0.0が2026年5月5日に正式リリースされた。本バージョンは「Current」ステータスで提供され、2026年10月にLTS(長期サポート)へ移行する予定だ。リリースマネージャーはRafael Gonzaga氏が担当している。最大のハイライトは、これまで実験的フラグ付きでのみ利用できたTemporal APIがデフォルトで有効化されたことだ。JavaScriptにおける日付・時刻処理の根本的な刷新が、ついて一般ユーザーの手に届く形となった。
Temporal API — Dateの後継がついに標準化
Temporal APIは、従来のDateオブジェクトが抱えてきた多くの問題(タイムゾーン処理の曖昧さ、可変性、直感に反するAPI設計など)を解消するために開発されたモダンな日付・時刻APIだ。日付、時刻、期間、タイムゾーン、カレンダー対応操作のそれぞれに専用の型が用意されており、より安全で明確なコードが書けるよう設計されている。Node.js 26ではこのAPIがフラグなしで利用できるようになったことで、実プロジェクトへの採用が現実的なものとなった。
V8 14.6とJavaScript新機能
V8エンジンがChromium 146ベースの14.6.202.33に更新された。これに伴い、いくつかの新しいJavaScript言語機能が利用可能になった。Map.prototype.getOrInsert()およびMap.prototype.getOrInsertComputed()(WeakMap版も含む)は、キーが存在しない場合に値を挿入する操作を簡潔に書けるUpsertパターンのサポートだ。またIterator.concat()によるイテレーターの連結も追加されている。なお、NODE_MODULE_VERSIONは147に更新されており、ネイティブアドオンの再コンパイルが必要になる場合がある。
レガシー機能の削除と非推奨化
Node.js 26ではプラットフォームのモダン化を意図した整理も行われた。http.Server.prototype.writeHeader()メソッドが削除され、代わりにwriteHead()の使用が求められる。内部ストリームモジュール群(_stream_wrap、_stream_readable、_stream_writableなど)も廃止された。またmodule.register()やストリーム・暗号関連のAPIがランタイム非推奨(DEP0201、DEP0203、DEP0204)に昇格した。HTTPクライアントライブラリUndiciは8.0.2へ更新されている。セキュリティ面ではCVE-2026-21717(配列インデックスハッシュ衝突)への対応が含まれる。
ビルド要件の変更
ビルド環境の要件も引き上げられた。GCC 13.2以上が必須となり、Python 3.9のサポートが廃止された。Windows向けにはSDKバージョン11への更新が必要となる。これらの変更は、古いビルド環境で独自にNode.jsをコンパイルしているケースに影響する。Node.js 26はLTSへの移行を控えた重要なバージョンであり、新機能の評価と既存アプリケーションへの影響確認を今のうちに進めておくことが推奨される。