概要

Qualcomm(NASDAQ: QCOM)は2026年5月1日、大手ハイパースケーラーとのカスタムプロセッサ供給契約を発表し、株価が一時20%近く上昇、終値では前日比15.1%高の179.58ドルで引けた。CEOのクリスティアーノ・アモン氏は同日の決算発表において、データセンター向け「エージェント型AI体験専用CPU」の開発および「エージェント型スマートフォン」という新コンセプトを明らかにし、同社がモバイルチップベンダーからデータセンター向けAIシリコンプロバイダーへと本格的に転換する姿勢を示した。

データセンター戦略:カスタムASICと専用CPU

Qualcommは2025年に買収したAlphawaveの技術を活用し、カスタムASIC製造事業に参入している。今回の発表では、名称非公表の大手ハイパースケーラーとの契約を確保し、出荷は2026年第4四半期を予定しているとした。この案件はデータセンター向けCPUと高性能AIインファレンスアクセラレータを含む複数世代にわたる取り組みとして位置付けられている。

アモン氏は、AIがトレーニングやインファレンス段階を超えてエージェント的な動作へと進化するにつれ、トークン生成を担うCPUの役割が不可欠になると説明した。このエージェント型AI専用CPUはその需要を直接狙ったものだ。

エージェント型スマートフォンへの展開

Qualcommはスマートフォン市場においても「エージェント型スマートフォン」という将来像を提示した。アモン氏は中国の先行事例として、ByteDanceのAIアシスタント「Doubao」を搭載したZTE端末や、ユーザーの意図を解釈してサードパーティアプリを自動操作するOS統合型AIツール「miClaw」を組み込んだXiaomi端末を挙げ、AI統合が端末体験の中核となる方向性を示した。こうしたエージェント機能を支えるため、次世代Snapdragonプロセッサはさらなる高性能化が必要とされる。

財務実績と自動車事業の躍進

2026年度第2四半期の売上高は106億ドル(前年同期比3%減)だった一方、純利益は73.7億ドルと前年同期比162%増となった。また自動車事業では年換算売上高が初めて50億ドルを突破し、2026年度末には60億ドルを超える水準での着地を見込んでいる。第5世代Snapdragon Digital Chassisプラットフォームは、CPU処理能力3倍、GPU性能3倍、NPU性能12倍の改善を実現しており、自律走行や車載AIエージェントを支える基盤として期待されている。