概要
Googleは2026年4月24日、AIスタートアップAnthropicへの最大400億ドル(約6兆4,000億円)の株式投資を正式発表した。まず評価額3,500億ドルで100億ドルを即時現金投資し、Anthropicが業績目標を達成した場合には追加で最大300億ドルを出資する構造となっている。今回の発表はAmazonが最大250億ドルの投資計画を明らかにした数日後に行われており、テック大手各社がAIインフラへの資本投下を競う動きが一段と鮮明になった。
Googleはすでに2023年以降で30億ドル超をAnthropicに出資しており、現時点で同社の株式約14%を保有している。今回の追加出資により、GoogleとAnthropicの戦略的パートナーシップはさらに深化する見通しだ。
投資の内訳とコンピュート提供
今回の合意には現金投資に加え、大規模なコンピュートリソースの提供が含まれている点が特徴的だ。Google Cloudは今後5年間で5ギガワット規模のTPU(Tensor Processing Unit)ベースのコンピュート容量をAnthropicに提供することを約束した。AIモデルの学習・推論には膨大な計算資源が必要であり、現金と並んでコンピュートそのものを投資対象とする形式は業界全体で広がりつつあるトレンドを反映している。
投資条件の詳細としては、初期の100億ドルが評価額3,500億ドルで実行され、残り300億ドルについては業績目標の達成を条件とした段階的な拠出となる。Anthropicの年間収益(ARR)は2026年4月時点で300億ドルを超えており、成長軌道を考慮すれば追加出資の実行も現実的なシナリオとみられている。
業界競争の激化とAnthropicの今後
今回の発表はAI分野における計算能力と資本を巡る競争が熾烈化していることを改めて示している。OpenAIが数千億ドル規模のコンピュート確保を目指す一方で、AnthropicはGoogleとAmazonという二大クラウド事業者を後ろ盾に持つ独自のポジションを固めつつある。Anthropicは最近、自社最高性能の最新AIモデル「Mythos」をリリースしており、サイバーセキュリティ分野への応用も注目されている。
将来的な資金調達では評価額9,000億ドル超も検討されているとの報道もあり、IPOに向けた準備も2026年10月を候補として進んでいるとされる。GoogleとAnthropicは今回の合意について「両社の長年のパートナーシップを拡大するもの」と位置付けており、モデル開発からインフラ整備まで連携を強化する方針を示している。