過去最高の財務業績
SK Hynixは2026年4月23日、2026年第1四半期(1Q26)の決算を発表し、あらゆる主要指標で過去最高を更新した。売上高は52.5763兆ウォンで、前四半期比60%増・前年同期比198%増という驚異的な伸びを記録した。1四半期の売上高が50兆ウォンを超えたのは同社史上初めてのことだ。
営業利益は37.6103兆ウォン(前四半期比96%増、前年同期比405%増)、営業利益率は72%と過去最高水準に達した。純利益も40.3459兆ウォン(前四半期比165%増、前年同期比398%増)を計上した。通常、第1四半期は季節的な需要低迷期にあたるが、AIインフラへの投資拡大がその影響を完全に打ち消した形となった。また、現金および現金同等物は54.3兆ウォンに積み上がり、有利子負債19.3兆ウォンを差し引いたネットキャッシュポジションは35兆ウォンに達した。
HBMとAIメモリが牽引
今期の業績を支えた最大の要因は、AIデータセンター向け高帯域幅メモリ(HBM)の急増する需要だ。HBMに加え、サーバー向けDRAMモジュールや企業向けSSD(eSSD)など高付加価値製品の販売が好調で、全体の収益性を大幅に押し上げた。SKグループのチェ・テウォン会長はHBMの供給不足が2030年まで続く可能性を示唆しており、需給のタイト感は当面継続するとみられている。
製品面では、1cnmプロセス(10nmクラス)を採用したLPDDR6の量産立ち上げや、192GB SOCAMM2の量産開始など新世代製品の展開も進んでいる。NAND分野ではCTF技術を適用した321層QLCのクライアントSSD(cSSD)「PQC21」を開発したほか、高性能TLCおよび高容量QLCのeSSDラインアップでAI需要への対応を進めている。また、Solidigmとの協業により高容量QLC eSSD分野での優位性確保も目指している。
今後の見通しと投資計画
同社は今後の見通しについて、エージェンティックAI(Agentic AI)の普及がインフラ全体でのメモリ需要を底上げするとして、DRAMとNAND双方で「有利な価格環境が継続する」と予測している。設備投資面では、M15X工場のランプアップ(生産能力増強)、竜仁(ヨンイン)クラスターのインフラ整備、EUV露光装置の確保に重点を置く方針だ。AIの進化がメモリへの需要構造を根本的に変え、SK Hynixにとって長期的な成長の追い風となっている。