概要
AIチップスタートアップのCerebras Systemsは2026年4月17日、米証券取引委員会(SEC)にS-1登録届出書を提出し、Nasdaq上場(ティッカー:CBRS)を正式に申請した。同社はCEOのAndrew Feldman氏のもと「AIのトレーニングと推論において最速のハードウェアを構築する」と自社を位置づけており、IPOは2026年5月中旬を予定している。最新のシリーズH調達時(2026年2月)の評価額は230億ドルに達しており、今回の上場でも同水準の時価総額を目指すとみられる。
財務状況
2025年の売上高は5億1,000万ドルで、GAAP基準の純利益は2億3,780万ドルを計上した。一方、非GAAPベースでは7,570万ドルの純損失となっており、調整後の収益性確保は引き続き課題となっている。資金調達面では2025年のシリーズGで11億ドル、2026年2月のシリーズHで10億ドルをそれぞれ調達し、上場前に十分な手元資金を確保した。
OpenAIとの関係とNvidiaへの対抗
Cerebrasの最大の成長要因として注目されているのが、OpenAIとの大型契約だ。同社はOpenAIの高速推論(ファストインファレンス)ビジネスをNvidiaから奪ったとFeldman氏は述べており、AI推論チップ市場における競争力の証左となっている。また、Amazon Web Services(AWS)ともCerebrasチップをデータセンターへ展開する契約を締結しており、クラウド経由での普及拡大も図っている。
上場申請の背景と過去の経緯
Cerebrasのナスダック上場申請は今回が初めてではない。2024年にも一度S-1を提出したが、アブダビを拠点とする投資会社G42による出資をめぐる米政府の審査が入り、申請を取り下げた経緯がある。今回の再申請はその障壁を乗り越えた形であり、AI関連株への市場の旺盛な需要を追い風に上場へ踏み切ったとみられる。
今後の見通し
AIインフラ需要が急拡大するなか、Cerebrasは独自のウェハースケールエンジン(WSE)アーキテクチャを武器にNvidiaが支配するAIチップ市場への挑戦を続けている。上場によって調達した資金は研究開発および事業拡大に充てられる見込みで、AWS連携やOpenAIとの深化した協業が収益基盤を支えるかが今後の焦点となる。