概要
Appleは2026年4月20日、ティム・クックCEOが2026年9月1日付で執行会長(Executive Chairman)に移行し、現ハードウェアエンジニアリング担当上席副社長(SVP)のジョン・テルナスが新CEOに就任すると発表した。テルナスはApple取締役会にも参加する。また、非執行会長を務めてきたアーサー・レビンソンはリード独立取締役(Lead Independent Director)へと役割を変更する。クックは2026年夏まで現職のCEOとして留まり、テルナスへの引き継ぎ作業を行ったのち、執行会長として世界の政策立案者との関与を続ける予定だ。
ティム・クックの15年間の実績
クックは2011年のCEO就任以来、Appleを劇的な成長へと導いた。時価総額は約3,500億ドルから4兆ドルへと1,000%超の増加を達成し、年間売上も1,080億ドルから4,160億ドルへと約4倍に拡大した。Apple Watch、AirPods、Apple Vision Proといった新製品カテゴリーを創出し、サービス事業を年間1,000億ドル超の規模に育て上げた。グローバルでは200か国以上に事業を展開し、小売店舗を500店以上開設。アクティブデバイスの設置台数は25億台を超え、カーボンフットプリントを2015年比で60%削減するなど、環境面でも顕著な成果を残した。
次期CEOジョン・テルナスの経歴と手腕
テルナスは2001年にAppleの製品デザインチームに入社し、2013年にハードウェアエンジニアリング担当VPに昇格、2021年よりエグゼクティブチームのメンバーとなった。iPad、AirPods、iPhone、Mac、Apple Watchの開発を長年にわたって統括し、最近ではMacBook Neo、iPhone 17ラインナップ、最新世代AirPodsの製品化を率いた。ペンシルバニア大学で機械工学の学士号を取得しており、Appleへの入社前は機械エンジニアとして働いていた。ハードウェアの深い専門知識と製品リーダーシップの実績を兼ね備えた人物として、社内外から高い評価を得ている。
Johny Sroujiの昇格とハードウェア組織の再編
テルナスのCEO就任に伴い、ハードウェアテクノロジー担当SVPのJohny Sroujiが即日付けでチーフハードウェアオフィサー(Chief Hardware Officer)に就任した。Sroujiは2008年のApple入社以来、A4チップをはじめとするAppleカスタムシリコンの開発を牽引してきた人物で、Intel・IBM出身のプロセッサ開発の専門家でもある。新体制でSroujiはハードウェアエンジニアリングとハードウェアテクノロジーの両組織を統括し、カスタムシリコン・バッテリー・カメラ・センサー・ディスプレイ・セルラーモデムなどApple全製品ラインのハードウェア開発全体を担う。
Bloombergの報道によれば、Sroujiはハードウェア組織を5つの注力領域に再編した。ハードウェアエンジニアリング(Tom Marieb)、シリコン(Sri Santhanam)、先進技術(Zongjian Chen)、プラットフォームアーキテクチャ(Tim Millet)、プロジェクト管理(Donny Nordhues)の各部門を設け、いずれもAppleでの豊富な経験を持つベテランが担当する体制とした。Sroujiは社内メッセージで「これらのチームをまとめ、さらなる統合を進め、より大きな形でイノベーションを支援できることを楽しみにしている」と述べた。