概要
RedMonkは2026年4月14日、2026年1月時点のプログラミング言語ランキングを公開した。GitHubのプルリクエスト数とStack Overflowのタグ使用量を組み合わせた独自の方法論に基づくこのランキングでは、JavaScriptが引き続き首位を堅守し、Python(2位)、Java(3位)という上位3言語の顔ぶれは前回から変わらなかった。ただし、4位以降でいくつかの注目すべき動きが見られた。
今回の上位20言語の順位は次の通りだ。1位JavaScript、2位Python、3位Java、4位PHP・C#(同位)、6位TypeScript、7位CSS・C++(同位)、9位Ruby、10位C、11位Swift、12位Go、13位R、14位Shell・Kotlin・Scala(同位)、17位PowerShell、18位Dart・Objective-C(同位)、20位Rust。
注目の順位変動
今回のランキングで最も注目されるのはC#の4位浮上だ。C#がPHPと同位で4位につけ、上位グループへの仲間入りを果たした。著者のStephen O’Gradyは「不明な要因がこの牽引力を駆動している可能性がある」と慎重な見方を示しつつ、PHPの緩やかな衰退や、CloudflareのEmdashプロダクト(TypeScript基盤)などの業界動向との複合的な影響を示唆している。
もう一つの意外な結果がDartによるRust追い抜きだ。Dartが18位に浮上し、20位のRustを上回る形となった。Rustはシステムプログラミング領域での存在感が高まっているにもかかわらず、このランキングでは順位を落とした。一方、Objective-Cは18位で下降トレンドを継続しており、著者は「トップ20からの永続的な離脱が予想される」と指摘している。
注目の新興言語では、ZigがGitHub上では58位に位置するもののStack Overflowでは83位と乖離があり、全体順位は82位に留まっている。Bicepは79位から66位へ大きく回復した一方、Ballerinaは前回の64位から74位へ後退した。
AIコーディング時代におけるデータ品質の課題
今回のレポートで著者が繰り返し強調したのが、データ品質への懸念だ。AIコードアシスタントの普及により、開発者がStack Overflowへ質問を投稿する行動パターンが変化しており、「Stack Overflowの関連性が低下し、オープンリポジトリへのコード提供の割合が減少している可能性がある」と指摘されている。実際、GitHubのPRデータにも異常な低下が確認されており、データの欠損やアーティファクトの可能性を現在検討中という。
なお、AIコーディング支援ツールが言語採択そのものに与える影響は、現時点では観測されていない。著者は次期ランキングで開発者の言語選択がAIツールに依存する場合に何が起きるかを注視しており、今後の版での考察を予告している。
長期トレンドと今後の展望
Rachel Stephensによる別記事では、2012年9月から2026年1月までの13年以上にわたるトップ20言語の推移が可視化されている。ランキング方法論上の重要な変更は2014年1月と2017年1月に行われており、それぞれGitHubデータの可用性変更を反映している。
RedMonkは「これらのランキングは統計的に厳密な人気度の測定ではなく、主要な開発者コミュニティ全体のトレンドを集約しようとするものだ」と明記している。新興言語は累積的に既存の上位言語に対して不利な立場に置かれる「先行者アドバンテージ」が存在するため、Zigのような有望な新興言語がトップ20に食い込むには長期的な視点が必要だ。AIが開発者の行動を変容させる中、今後のランキングがどのような変化を映し出すかが注目される。