概要
KDE Gearは2026年4月16日、バージョン26.04をリリースした。このリリースは「KDE at 30」とも呼ばれ、KDEプロジェクトの設立30周年を記念する節目のアップデートとなっている。KDE GearはKDE Plasmaデスクトップ環境とは独立したアプリケーション群のリリースサイクルであり、ファイルマネージャーやカレンダー、動画編集ツール、チャットクライアントなど幅広いカテゴリのアプリが今回のリリースで改善を受けた。
主要アプリの改善内容
Dolphin(ファイルマネージャー) では、メニュー・プラグイン・拡張機能のほぼすべての操作にカスタムキーボードショートカットを割り当てられるようになった。これによりパワーユーザーが自分好みのワークフローを構築しやすくなる。
Kdenlive(動画編集) には複数の実用的な新機能が追加された。コンポジション(トランジション)に動画アニメーションプレビュー機能が加わり、適用前にトランジション効果を確認できるようになった。また外部ディスプレイへのモニターミラーリング、タイムラインのコンテキストメニューからのクリップ直接インポート、複数クリップの速度同時変更にも対応した。
NeoChat(Matrixチャットクライアント) にはリッチテキストエディタとスレッドサポートが実装された。これにより長いディスカッションを整理しやすくなり、Matrixプロトコルのユーザー体験が向上する。
Merkuro Calendar と KOrganizer はUIを刷新し、スケジュールビューやイベントエディタをよりモダンなデザインに改めた。カレンダー系アプリ全体で視認性と操作性が改善されている。
KDE Itinerary(旅行アシスタント) では地図ビューのバックエンドにMapLibreを採用し、ベクターベースのタイルレンダリングによりどのズームレベルでも鮮明な地図表示が実現した。Photos(画像ビューア) にはフローティングズームバーや標準ズームショートカットが追加され、KClock はモバイルのロック画面へのオーバーレイ表示に対応した。
KDE 30年の歩みと今後
1996年の設立から30年を迎えたKDEプロジェクトは、Okular(21年の歴史)やKOrganizer(23年)のような成熟したアプリと、NeoChat・AudioTubeといった新興プロジェクトが共存するエコシステムへと成長した。今回のGear 26.04リリースは、長年の実績あるツールの継続的改善と新世代アプリへの投資を両立させており、OSSデスクトップ環境としてのKDEの多様性と持続性を改めて示すものとなった。