概要

調査会社Omdiaの最新レポートにより、いわゆる「ネオクラウド」と呼ばれるGPU-as-a-Service(GPUaaS)プロバイダーの多くが計算インフラの拡充を急速に進めている一方で、ネットワークインフラが成長の重大なボトルネックとなっていることが明らかになった。CoreWeaveやGcoreなどのプロバイダーはもともと暗号資産マイニングやコンテンツ配信をルーツとしており、ネットワーク戦略の成熟度や方向性が各社で大きく異なるという課題も浮き彫りになっている。

さらに、Impervaの「2025 Bad Bot Report」によると、インターネット全体のトラフィックのうちボットなどの自動化されたトラフィックが51%を超え、人間によるアクセスを初めて上回ったとされる。AIエージェントやLLMベースのサービスによるトラフィックが急増していることが背景にあり、ネットワーク事業者にとって予測困難な負荷の増大が続いている。

技術的な詳細

AIシステムはクラウド、データセンター、エッジデバイス間で継続的かつ大量のデータ移動を伴うため、ネットワークには従来以上の「適応性と動的スケーリング能力」が求められる。推論ワークロードはトレーニングとは異なり、リアルタイム性や低遅延が重視されるケースも多く、単純なスループット拡張では対応しきれない場面が増えている。各プロバイダーが持つネットワーク基盤の質・規模・設計思想の違いが、サービス品質の格差に直結しつつある。

Omdia Telco B2B部門のリサーチディレクター、Camille Mendler氏は「ネットワークインフラはネオクラウド事業者の成否を分ける決定的な要因だ」と強調する。また、通信大手LumenのCEOもネットワークをAI時代における企業の「神経系」と表現し、競争力の根幹を担うと述べている。

今後の見通し

ネオクラウド各社は、コンピュートリソースの拡張と並行してネットワーク基盤への投資を加速させる必要に迫られている。ネオクラウド各社のネットワーク基盤の成熟度には大きなばらつきがあり、基盤整備の遅れがサービス競争力に影響するケースも多い。AIトラフィックのさらなる拡大が見込まれる中、ネットワーク変革への対応速度が今後の市場シェアを左右する鍵となりそうだ。