概要
Microsoftは2026年4月、ノルウェー北極圏の都市Narvikにあるクラウドプロバイダー・Nscaleのデータセンターキャンパスで、Nvidia Vera Rubin GPUを3万基以上追加展開する契約を締結した。このサイトはもともとOpenAIの「Stargate Norway」プロジェクトとして発表されていたもので、OpenAIが契約締結に至らなかった後、Microsoftが引き継いだ形となる。今回の合意は、同サイトに対してMicrosoftがすでに行っていた62億ドル規模のコミットメントをさらに拡大するものだ。
OpenAIの撤退経緯
OpenAIは昨年、NarvikのNscaleキャンパスをStargate構想の欧州拠点として「Stargate Norway」と銘打ち公表していた。しかし、エネルギーコストや規制コストの高さを理由に英国のStargateプロジェクトを一時停止するなど、欧州でのインフラ展開に慎重姿勢を強めていた。結果としてNscaleとの直接契約は成立せず、OpenAIは独自に容量を確保する代わりにMicrosoftのAzureを通じて同サイトへのアクセスを確保する形に変更した。IPOに向けた支出精査の強化も、OpenAIがサーバーファームコストに対して慎重な姿勢をとる背景にある。
技術・インフラの詳細
Narvikキャンパスにはすでに230MWの電力容量が確保されており、電力は再生可能エネルギーから供給される。今回追加展開されるNvidia Vera Rubin GPUは次世代のAI推論・学習向けアクセラレーターであり、MicrosoftはこのGPUを英国やノルウェーをはじめとする複数拠点に順次展開している。Nscaleはデータセンターを設計・運営するネオクラウドプロバイダーであり、ノルウェーの投資会社Aker ASAも出資に参画している。
Stargateサイトの相次ぐ吸収とAI戦略
Microsoftが元Stargateサイトを引き継ぐのは、直近3週間で2件目となる。最初のケースはテキサス州のサイトであり、今回のノルウェーがそれに続く。OpenAIは2026年の支出削減方針のもと欧州でのインフラ展開を縮小している一方、MicrosoftはAI・クラウドサービスへの爆発的な需要増に対応すべくデータセンター整備を積極的に進めている。Microsoftは今後もNarvikキャンパスを含む大規模AI推論インフラへの投資を継続するとみられており、欧州における同社のAI基盤強化が加速している。