概要
Grafanaチームは2026年4月、Grafana v13.0を正式にリリースした。今回のリリースは「blinking cursorの問題解決」をコンセプトに掲げており、チームがデータから素早くインサイトを得られるようにすることに主眼を置いている。長らくベータ提供されていた次世代ダッシュボード機能「Dynamic Dashboards」と、GitOps連携を実現する「Git Sync」がともに一般提供(GA)となったほか、ビジュアライゼーションやAI支援機能など多岐にわたる強化が行われた。
Dynamic DashboardsとGit SyncのGA
Dynamic Dashboardsは、より柔軟で適応性の高いダッシュボード体験を提供する次世代ダッシュボード機能で、v13.0よりすべてのGrafana Cloudユーザーとセルフマネージドインスタンスでデフォルト有効化される。既存のダッシュボードは自動的に新スキーマへ移行され、「統一されたソース・オブ・トゥルース」の構築を支援する設計となっている。
Git Syncは双方向のGitOps機能であり、Grafanaリソースの大規模かつ信頼性の高い管理を可能にする。ただし、v12.xからv13.0.0へアップグレードする際はダッシュボード喪失のリスクがあるため、公式のマイグレーション手順を確認することが強く推奨されている。
ビジュアライゼーションとダッシュボードの強化
ビジュアライゼーション面では、リニューアルされたGaugeビジュアライゼーションがGAとなった。また、新しいパネルスタイル機能により、Time Series・Gauge・Bar Gauge・Stat・Bar Chartの各パネルをキュレーションされた設定群で素早く更新できるようになった。さらに、Graphviz DOT言語でインタラクティブなダイアグラムを定義し、任意のデータソースからライブデータをマッピングできる新パネルGraphvizもプライベートプレビューとして追加された。
ダッシュボード操作面では、クイックフィルター・グループ化機能の改善によるデータ探索の高速化、サポートチケット不要でダッシュボードを復元できる「Recently deleted」ビュー、APIゲートウェイやデータベースを含む複雑なダッシュボードで別々のサービスに異なる変数を適用できるグループレベル変数機能なども追加された。クエリエディタもリニューアルされ(プライベートプレビュー)、クエリ・式・変換・関連アラートを統一ビューで扱えるようになり、複雑なパネル構築が容易になった。
AI・データソース・運用機能の拡張
AI機能ではGrafana Assistantとの統合が強化され、ダッシュボードテンプレートのカスタマイズ支援やSQLエクスプレッション生成支援(Grafana CloudではGA、OSS/Enterpriseではパブリックプレビュー)が利用可能になった。データソース面ではElasticsearchのDSLとES|QL両言語サポート、そしてエンタープライズデータベースのIBM DB2への対応が追加された。
運用支援機能としてはGrafana AdvisorがGAとなり、失敗したデータソース・古いプラグイン・SSO設定の誤構成を検出するヘルスチェック機能が週1回の自動実行(手動トリガーも可能)で利用できる。
主な破壊的変更と今後の展望
今回のリリースにはいくつかの破壊的変更も含まれる。Grafana Image Rendererのサポートが削除され、スクリーンショット・レポート生成が非対応となった。React 19への移行に伴いIoT TwinMaker SceneViewerパネルが非対応化されたほか、JWTベースの認証がレンダリング認証のデフォルトに変更され、HTTP圧縮(gzip)がデフォルト有効化された。複数のgo_sql_statsおよびgrafana_database_connメトリクスも廃止され、新しいgo_sqlメトリクスに置き換えられた。config.appsおよびconfig.panelsは2026年下半期リリース予定のGrafana 13.2.0で削除予定となっており、早期の対応が求められる。