概要

スウェーデンの計測・センサー技術大手Hexagonは2026年4月、米エネルギー大手Baker Hughesの子会社である非破壊検査(NDT)ソリューション企業Waygate Technologiesを約14.5億ドルの全額現金で買収すると発表した。取引は規制当局の承認を経て2026年後半に完了する見通しで、Baker Hughesの財務アドバイザーにはJ.P.モルガンが起用されている。

Waygate Technologiesはドイツに本社を置き、世界25拠点に約1,500名の従業員を擁する。2025年の年間売上高は約6億3,000万ドル、EBITマージンは10%。Krautkämer、Phoenix、Seifert、Everest、Agfa NDTなど130年超の歴史を持つブランドを統合した企業であり、コンピュータ断層撮影(CT)、放射線検査、遠隔目視検査、超音波検査などの技術を航空宇宙・自動車・エネルギー・バッテリー・製造業など幅広い分野に提供している。

買収の戦略的意図

Hexagonにとって今回の買収は、Manufacturing Intelligence部門の強化を意味する。同社はこれまで製品の外表面を計測する技術を中心に展開してきたが、Waygateのポートフォリオを取得することで内部構造の解析能力を補完し、より包括的な製造検査ソリューションを提供できるようになる。HexagonはWaygateの事業のうち、放射線検査を収益性資産、遠隔目視検査を成長資産として位置付け、超音波検査およびイメージングソリューションについては売却も含めた検討を行う方針だ。

Baker Hughes側にとっては、NDT事業を手放すことでコア事業である回転機器(ターボ機械など)および脱炭素化関連への資本再配分が可能になる。エネルギー業界が低炭素化へと転換するなか、Baker Hughesは自社のリソースをより戦略的な優先分野に集中させる狙いがある。

今後の展望

非破壊検査市場は、製造品の品質保証や安全性確認の需要増大を背景に堅調な成長が続いており、特に電気自動車向けバッテリー検査や航空宇宙部品の品質管理において重要性が高まっている。HexagonがWaygateの豊富な技術遺産とグローバル拠点を取り込むことで、製造業向けデジタル検査ソリューションの競争力が一段と強化される見込みだ。取引完了後、HexagonがWaygateのブランドや製品ラインをどのように再編・統合するかが注目される。