概要

Googleはインド南部のアンドラプラデシュ州に、総投資額150億ドル・電力容量1GWという大規模なデータセンタークラスターを建設する計画を進めている。建設予定地はビシャカパトナム近郊で、Adavivaram・Tarluvada・Rambilliの3か所にキャンパスを設け、600エーカー超の土地が確保されている。このプロジェクトはGoogleにとってアジア最大規模のデータセンター拠点となる見込みで、2026年4月28日に着工式が予定されており、Google Cloud CEO のトーマス・クリアン氏も参加する。

建設の背景と戦略的意義

この大規模投資の背景には、インドをはじめアジア各国でのデータローカライゼーション規制の強化がある。インドや近隣諸国では、国内で生成されたデータを自国内に保管することを義務付ける規制が整備されつつあり、クラウド事業者にとって現地インフラの整備は不可欠な対応となっている。また、生成AIの急速な普及に伴うAIワークロード需要の急増も大きな要因だ。AIアプリケーションは高い電力密度と専用ハードウェア・冷却システムを必要とするため、データを生成する場所の近くに高性能なコンピューティング基盤を設ける必要がある。

パートナーシップと業界の動向

建設・運営にあたっては、インドの大手コングロマリットであるAdaniグループとの合弁企業AdaniConnexや、通信大手のBharti Airtelがパートナーとして参画する。競合他社も同様の動きを見せており、AWSやMicrosoftはインドネシア・タイ・マレーシアなどの東南アジア各国でデータセンター投資を相次いで拡大している。かつては特定の集中拠点に依存していたハイパースケーラーの戦略は、今やリージョンごとに分散させる方向へと明確にシフトしており、Googleの今回の発表はその流れを象徴するものといえる。

今後の展望

1GWという電力容量はデータセンター業界においても極めて大規模であり、将来的なAI基盤やクラウドサービス需要への長期的な対応を見据えた投資であることがうかがえる。インドは人口規模・経済成長率・デジタル化の進展度いずれの面でも高いポテンシャルを持つ市場であり、今回の投資はGoogleのアジア戦略における重点シフトを示している。着工後の詳細なタイムラインや段階的な開設スケジュールについては、今後の続報が注目される。