概要
2026年3月、イラン軍がUAE(アラブ首長国連邦)とバーレーン国内の複数のデータセンターに対して軍事攻撃を実施した。この攻撃を受け、MicrosoftのBrad Smith社長は日経アジアとのインタビューで、紛争地域におけるデータセンターの設計・建設方針を見直す可能性を示唆した。Smith氏は「時間をかけてデータセンターの設計・建設に何らかの影響を与えるだろう。場所によって同じにはならないかもしれない」と述べ、「装甲化(armored)」された施設構想への言及も行った。
攻撃の背景と中東事業への影響
イランは、米国の軍事作戦への報復として今回の攻撃を正当化。イラン国営メディアは、これらのデータセンターが米国の防衛・情報活動を支援していた可能性があると主張している。Microsoftは現在、UAE・カタール・イスラエルで既存のデータセンターを運営しており、さらにサウジアラビアでも2026年後半の運営開始を予定しているため、これらすべての拠点がイランの攻撃圏内に位置することになる。記事公開時点では、Microsoftのいずれの施設も今回の攻撃による直接的な被害は受けていないとされている。
国際ルール整備への訴え
Smith氏は施設の物理的な強化策にとどまらず、「民間インフラを保護するための強力な国際的ルールの策定」を求め、データセンターもその保護対象に含めるべきだと主張した。デジタルインフラが現代の経済・社会活動において不可欠な基盤となっている中、民間クラウド施設を武力攻撃の対象とすることへの国際的な規制の必要性を訴えた形だ。今回の事態は、地政学的リスクを考慮したデータセンターの立地戦略や設計が、クラウド大手にとって無視できない課題として浮上しつつあることを示している。