概要
Appleの折りたたみiPhone(通称「iPhone Fold」)がエンジニアリング検証テスト段階において「予想を上回る問題」に直面しており、最悪の場合は初回出荷が当初の2026年12月から数か月ずれ込み、2027年になる可能性があると複数のサプライチェーン筋が報じている。Nikkei Asiaの報道では「エンジニアリング開発をめぐる問題はより複雑で、予想より時間がかかっている」と述べられており、部品サプライヤーへはすでに生産スケジュールの遅延通知が届いているという。4月から5月初旬が生産判断の重要な節目とされている。
ヒンジ素材と技術的課題
遅延の主な要因のひとつが、ヒンジ機構に使用する素材の未決定だ。Appleは現在、液体金属(Liquid Metal)と3Dプリントチタン合金の2つの選択肢を検討している。液体金属は耐久性向上と折り目(クリース)の低減が期待される一方、量産コストや加工の難しさが課題とされる。最終的な素材決定は2026年7月〜8月上旬に実施予定の「生産検証テスト(PVT)」フェーズまで持ち越される見通しで、この決定が発売スケジュールに直接影響する。また、製造パートナーとのコスト交渉も未解決のまま残っており、これが生産移行をさらに複雑にしている。
発売スケジュールと市場予測
当初の計画では、iPhone FoldはiPhone 18 Pro・Pro Maxの9月発売に続く形で、2026年12月に市場投入される予定だった。iPhone X(2017年)やiPhone XR、iPhone 14 Plusなど、Appleが秋モデルと年末モデルを分けて展開した前例に倣ったスケジュールである。価格については2,000ドル超、構成によっては3,000ドルに近づく可能性も指摘されており、競合他社の折りたたみスマートフォンよりも高価格帯になることが見込まれている。
一方、BloombergのMark Gurmanは依然として「iPhone Foldは2026年9月にiPhone 18 Pro・Pro Maxと同時発表される」というシナリオを否定しておらず、情報源によってスケジュール認識に差がある。最終的な発売時期は今後数か月のエンジニアリング進捗と素材決定の結果に左右されると見られる。
今後の見通し
業界では、ヒンジ素材の確定と量産検証が順調に進めば2026年12月発売が維持される可能性も残るとしている。しかし、エンジニアリング課題が長引けば2027年へのずれ込みは避けられず、Appleが折りたたみスマートフォン市場に参入するタイミングも後ろ倒しになる。Samsung Galaxy Z FoldシリーズやGoogle Pixel Foldなど競合製品が市場を先行するなか、Appleがどのような完成度で製品を投入するかに注目が集まっている。