概要

MetaとAI専門クラウドプロバイダーのCoreWeaveは2026年4月9日、約210億ドル(約3兆円)規模の追加AI インフラ契約の締結を発表した。2025年秋に結んだ142億ドルの既存契約と合わせると、両社の累計契約総額は350億ドルに達する。契約期間は2027年から2032年末までを対象とし、MetaはCoreWeaveの大規模GPUクラスターへのアクセスを確保し、AIモデルのトレーニングおよび推論ワークロードを処理する。

CoreWeaveの共同創業者・CEOであるMichael Intrator氏は「業界をリードする企業が最も要求の高いワークロードの実行にCoreWeaveのAIクラウドを選んでいることを示す、また一つの事例だ」とコメントした。発表後、CoreWeave株は約4%上昇した一方、Meta株は約3%上昇した。

取引の背景とMetaのAI戦略

Metaは2026年にAIインフラへ1,000億ドル超を投資する計画を掲げており、今回の契約はその一環だ。MetaがAWSやAzureといった大手ハイパースケーラーではなく、NVIDIA最適化インフラに特化したCoreWeaveを選んだ背景には、NVIDIAの最新チップ(Blackwell Ultra GB300やVera Rubinプラットフォームなど)のより迅速な展開が可能という点がある。AIワークロードの需要がGPU供給を大幅に上回る現状では、長期的なコンピュートリソースの確保が戦略的に重要となっている。

CoreWeave自身もNVIDIAから20億ドルの出資を受けており、2025年3月にNasdaq(ティッカー:CRWV)へ上場を果たした「ネオクラウド」企業だ。今回の大型契約は、特定顧客への収益集中リスクを一定程度緩和するとともに、AI専用クラウド市場における同社の存在感をさらに高めるものとなっている。

業界トレンドへの示唆

AIワークロードがモデルのトレーニングから本番環境での推論へとシフトするにつれ、持続的なコンピュートアクセスの需要はさらに拡大している。MetaとCoreWeaveの長期大規模契約は、大企業が共有パブリッククラウドよりも専用インフラを長期確保する動きが加速していることを象徴しており、AI専門クラウドプロバイダーが従来のハイパースケーラーと並ぶ存在感を持ちつつあることを示している。