概要
Samsung Electronicsは2026年4月7日、2026年第1四半期(1〜3月)の暫定業績を発表した。営業利益は57.2兆ウォン(約379億ドル)、売上高は133兆ウォンに達し、いずれも四半期ベースで史上最高を更新した。営業利益は前年同期比755%増(約8倍)という圧倒的な伸びを示し、アナリスト予想(LSEGスマート推計:40〜42兆ウォン前後)を大幅に上回る「サプライズ」決算となった。Q1単体の利益は2025年通期の営業利益(43.6兆ウォン)すら超えており、AIブームがもたらす半導体需要の構造変化を象徴する数字といえる。
AI向けHBMと価格急騰が利益を押し上げ
利益急増の最大の要因は、AI向け高帯域メモリ(HBM)チップをはじめとするDRAM・NANDフラッシュへの爆発的需要だ。メリッツ証券の試算では、半導体部門(Device Solutions)だけで54兆ウォン超の営業利益を稼ぎ出したとされ、これはグループ全体の利益の約95%に相当する。DRAM・NAND市場では前年比で価格が90%超上昇したとも報じられており、AIインフラ投資の急拡大がメモリ市場全体の需給を逼迫させたことが背景にある。Samsungは第6世代HBMチップの量産も開始しており、競合のSK Hynixに一時リードを許した先端HBM分野での地位を回復しつつある。なお、ファウンドリ(受託製造)部門については約1.6兆ウォンの損失が続いているとされ、事業ポートフォリオ上の課題として残る。
世界的な収益性ランキングでも上位に
今回の業績により、SamsungはQ1の四半期利益でApple(約509億ドル)、Saudi Aramco(約413億ドル)、Microsoft(約383億ドル)に次ぐ世界第4位の収益企業となり、Alphabet(約359億ドル)を上回った。株式市場もこれを好感し、業績発表当日に株価は一時4.8%上昇し、終値は1.76%高で引けた。年初来の株価上昇率は61%に達しており、韓国KOSPI全体の上昇率(29%)を大きく上回っている。Morgan Stanleyは「Samsungは急激な業績回復サイクルの中心にある」と評価している。
今後の見通し
Q2のDRAM契約価格は前四半期比30%増で交渉が進んでいるとされており、メモリ市場の強気相場は少なくとも短期的には継続する見通しだ。最終的な確定業績は2026年4月30日に発表される予定で、詳細な部門別数字が明らかになる。AI向けインフラ投資の勢いが衰えない限り、Samsungの半導体部門は引き続き高収益を維持する可能性が高い。一方で、ファウンドリ部門の赤字縮小や次世代プロセス競争でのTSMCとの差縮めが今後の焦点となる。