概要

2026年4月7日、Python開発チームはPython 3.15.0a8(最終アルファ版)、Python 3.14.4、Python 3.13.13の3バージョンを同時にリリースした。3.15.0a8は計画されている最後のアルファリリースであり、次のマイルストーンは2026年5月5日に予定されているベータ版への移行となる。メンテナンスリリースであるPython 3.14.4には約337件のバグ修正と、Python 3.13.13には約200件のバグ修正がそれぞれ含まれている。

Python 3.15の主要新機能

Python 3.15.0a8では、複数のPEP(Python Enhancement Proposal)が実装されている。PEP 810による明示的な遅延インポート(Explicit lazy imports)は、大規模プロジェクトにおける起動時間の短縮に貢献する機能だ。PEP 814では新しい組み込み型frozendictが追加され、イミュータブルな辞書型がネイティブサポートされる。また、PEP 798によりコンパクトな内包表記での***によるアンパック構文が利用可能となった。

型システム周りの改善も充実しており、PEP 728によるTypedDictへの追加アイテムの型付けサポート、PEP 747TypeFormによる型フォームのアノテーション機能が導入された。PEP 686ではUTF-8がデフォルトエンコーディングとなり、国際化対応が強化される。

パフォーマンスとABI安定性

パフォーマンス面では、JITコンパイラのアップグレードによりx86-64 Linux環境でジオメトリック平均6〜7%の性能向上が確認されている。さらにPEP 803によりフリースレッドビルド向けの安定ABIが定義され、拡張モジュール開発者に対してより安定した開発環境が提供される。PEP 799による新しい統計的サンプリングプロファイラも追加され、低オーバーヘッドでのパフォーマンス解析が可能となった。PEP 782では新しいPyBytesWriter C APIが追加された。

今後の展望

3.15.0a8が最終アルファとなったことで、Python 3.15の機能セットはほぼ確定した。2026年5月5日のベータ版移行後は機能追加が凍結され、安定性向上に向けたバグ修正フェーズに入る。エラーメッセージの改善も引き続き行われており、開発者体験の向上が図られている。メンテナンスリリースである3.14.4と3.13.13は現在本番環境で利用しているユーザーへの適用が推奨される。