概要

CPythonにRustコードを導入するプロジェクトが2026年4月の進捗報告を公開した。最大の成果は、フォーク上のCIパイプラインにおいて「全テスト対象プラットフォームでCPythonのビルドが成功する」状態を達成したことだ。ビルドシステムの安定化という3月のマイルストーンをクリアし、プロジェクトは次フェーズである内部Rust APIの設計へと移行した。また、最初にRustコードを含むリリースとして当初目標としていたPython 3.15ではなく、Python 3.16を新たなターゲットとすることが決定された。1年の延期により、設計・コミュニティ議論・PEPレビューに十分な時間が確保される。

技術的な取り組み

現在の開発の焦点は、CPython向けの内部Rust APIの設計にある。「api-design」タグが付いた複数のIssueで設計議論が進められており、アーキテクチャ上の重要な構成要素が検討されている。このAPIはPEPによって正式に安定化・公開されるまでは内部専用として扱われる方針だ。また、Rustで実装する最初の拡張モジュールを1つ選定するフェーズも4〜5月に予定されている。Rustプロジェクトのリーダーシップとの会議も実施され、統合上の課題に関する協議が生産的に進んでいる。

PEP提出までのロードマップ

プロジェクトは以下の段階的なスケジュールを示している。

  • 3月(達成済み): ビルドシステム整備の完了
  • 4〜5月: 内部Rust APIの設計最終化と、Rust実装対象となる拡張モジュールの選定
  • 5月: PyConUS でのスプリント開催
  • 6〜7月: PEP草稿の作成と提出

Python 3.16のbeta 1は2027年5月が見込まれており、それまでにPEPの審議・承認を完了させる計画だ。チームは、CPythonのコアにRustを導入するという意義の大きさを踏まえ、PEP審議では活発な議論が生じると見越している。

コミュニティへの参加

プロジェクトはDiscordサーバーを通じてコントリビューターを募集しており、毎週月曜日の太平洋夏時間12:00(PDT)に週次ミーティングを開催して取り組みの調整と議論を行っている。