概要

Oracleは2026年3月31日、防衛産業基盤(Defense Industrial Base: DIB)向けの隔離クラウド環境「DIB Isolated Cloud Environment(DICE)」を発表した。DICEは、機密レベルの研究・開発・システム統合・試験、および国防省プログラムのサポートに従事する防衛請負業者が、厳格なセキュリティ要件を維持しながらクラウドを活用できるよう設計された専用クラウド環境である。OracleのGovernment・Defense・Intelligence担当エグゼクティブバイスプレジデントのKim Lynch氏は「複数の防衛請負業者が機密プログラムでセキュアに協業できる能力は、米国の技術的優位性を維持するうえで不可欠だ」と述べている。

技術的な詳細

DICEはOracleのNational Security Regions内でエアギャップ(物理的に外部ネットワークから隔離された環境)として動作し、SIPRNet(Secret Internet Protocol Router Network)およびJWICS(Joint Worldwide Intelligence Communications System)の分類境界を遵守する。複数のDIBメンバーが共同の機密プログラム上でセキュアに協業することを可能にしつつ、ワークロードやリソースへのきめ細かなアクセス制御も提供する。これにより、防衛請負業者は既存のオンプレミス機密環境をクラウドインフラへ拡張しながら、セキュリティプロトコルや機密区分の境界を損なわずに済む。

背景と意義

防衛産業基盤は、軍事システムやプラットフォームを設計・開発する数千社の企業から構成されている。これらの組織は機密情報を保護しながら共同開発を進めるための、セキュアで隔離された環境を必要としてきた。DICEはこうしたセキュアな協業インフラの空白を埋めるソリューションであり、Oracleは夏までにSecretレベルの暫定認可(Provisional Authorization)の取得を目指している。認可が完了すれば、防衛請負業者はより広範な機密業務にDICEを活用できるようになる見通しだ。