概要

OpenAIの元従業員3名を含む5名が共同で新しいベンチャーキャピタルファンド「Zero Shot」を設立し、最大1億ドルの資金調達を目指していることが明らかになった。ファンド名はAI分野の専門用語「ゼロショット推論(zero-shot inference)」に由来し、スローガンは「Investing in the Post-AGI World(ポストAGI時代への投資)」。すでに2,000万ドルの第1次クローズを達成しており、AIベースの管理ソフトウェア企業「Worktrace AI」やAI活用の工場ロボティクス企業「Foundry Robotics」などへの投資を実行済みだ。

ファンドの創設者と背景

創業パートナーは5名。DALL-EやChatGPT、CodexのローンチをOpenAIで担当したEvan Morikawa(現ロボティクス企業Generalist在籍)、OpenAI初代プロンプトエンジニアでポッドキャストホストも務めたAndrew Mayne(AIコンサルティング会社Interdimensional創業)、エンジニア・研究者出身でGenAIスタートアップSynthefyも手がけるShawn Jain、グロースステージVC「01A」出身のKelly Kovacs、そして元Twitter・Disney出身のBrett Rounsavilleという顔ぶれだ。アドバイザーにはOpenAI元人事部長のDiane Yoon、元コミュニケーション部長でApple広報責任者も歴任したSteve Dowling、元プロダクトリーダーのLuke Millerが名を連ねる。

設立のきっかけについてMayneは「OpenAIを離れた後、VCからAI技術についてのコンサルティング依頼が相次いだ。物事の行方を自分たちの方がよく把握しており、優れたビルダーたちへのアクセスもある。それなら自分たちでファンドをやるべきだと判断した」と語っている。

投資戦略とトレンドの位置付け

Zero Shotは「バイブコーディング(vibe coding)」や「デジタルツイン」といった過剰に炒り立てられたセクターを意図的に避け、技術的な内部知識と優秀なビルダーコミュニティへのアクセスを強みとした早期ステージ投資に特化している。今回の動きは、「OpenAI Mafia」とも称されるOpenAI出身者が独立してVCや新企業を次々と立ち上げているという広いトレンドの一部でもある。The Informationも同様に「OpenAIマフィアが広がる中、元スタッフがファンドを設立」として報道しており、AIエコシステムにおける元OpenAI社員ネットワークの影響力は今後さらに拡大していくとみられる。