概要

2026年第1四半期、ビッグテック各社のH-1Bビザ申請数が前年同期比で大幅に減少した。Amazonの認定申請数は4,647件から3,057件へと約34%減少し、GoogleとMetaはそれぞれ前年比でほぼ半減した。Apple・Microsoft・IBM・Salesforce・Teslaといった他の主要テック企業でも同様の減少傾向が見られており、業界全体として外国人労働者の採用姿勢が大きく転換しつつある。

背景:移民政策の強化と大規模レイオフ

この急減は、主に二つの要因が重なって生じている。一つはトランプ政権による移民規制の強化だ。ビザスポンサーにかかるコスト増加や審査の厳格化に加え、米国大使館でのソーシャルメディア審査を義務付ける新たな領事規則がビザ処理を遅延させている。Amazonはインドに足止めされた従業員向けに3月2日まで一時的なリモートワークを認めたが、コーディング業務や戦略的業務には制限が課された。

もう一つの要因は各社で相次いだ大規模レイオフだ。Amazonは2025年1月に16,000人、10月にさらに14,000人の企業部門従業員を削減。Microsoftは2025年5月から7月にかけて15,000人規模の人員整理を実施し、MetaとGoogleも縮小を進めた。採用そのものが絞られる中、ビザスポンサーの優先度も当然下がっている。

業界の反応と今後の展望

移民専門弁護士のジェイソン・フィンケルマン氏は「企業はスポンサーを行う人材の選別を厳しくしている」と指摘する。採用コストの上昇と審査リスクを避けるため、国内人材へのシフトが加速している。一方、イーロン・マスク氏はかつて「H-1Bスポンサーをやめることは実際に非常にまずい」と述べており、テック業界における高度外国人材の重要性は依然として認識されている。財務長官スコット・ベッセント氏は今回の政策を「外国の専門家を米国人労働者のトレーニングに活用するもの」と位置づけているが、申請数の急落は企業側が慎重な判断を下していることを如実に示している。移民政策の方向性と採用環境の不透明さが続く限り、この傾向は当面続くとみられる。